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冨山・能登の美術館巡りから戻ってきた翌日、誘われて都美に行ってきた。関係者のご好意で、今回の展覧会の意図や実現までの過程について、美術館連絡協議会の関係者や都美の担当学芸員から直接お話を伺う機会を得た。
今回、北陸の公立美術館を4つ周ってきたが、それぞれの美術館が一生懸命に頑張っておられることが実感できた。しかし、その地域の人たちにどのように受け入れられているかについては、美術館の間に格差があることもうかがい知ることができた。たまたま乗ったタクシーの運転手からは、「XX美術館は、市の道楽ですよ」という言葉まで聞いたし、別なタクシーの運転手からは「YY美術館は私たちの誇りです」という言葉も聞いた。 こういった多様な公立美術館を束ねていくことは簡単なことではないだろうし、実際に話を伺っても、今回の展覧会の意義・タイトル・作品選定などについての意見集約にあたってもいろいろと難しい問題があったことを知ることができた。 その結果、一番大切な展覧会のコンセプトは「東西の美術史を辿る」という曖昧なものとなり、展覧会の価値は、「それぞれの作品の力に頼る」こととなってしまったようである。 しかし、実際に観客が地方の美術館を歩き回ることは経済的にも時間的にも大きな負担である。その意味で、このように東京でいながらにして地方の美術館を見られるのはありがたい話である。 自分自身の経験で恐縮だが、美連協加盟美術館124のうち51館を訪れている。今回の出展品には、直接その常設展で見ているものも少なくなく、国内で何回も開かれている巡回展で見た作品も多かったが、それでもまったく初見のものもかなりあり、さらに作者名すら知らないものもあった。 お気に入りは沢山あったが、ここでは、自分としては初見の作品を、西洋美術と日本美術の中から1点ずつあげることにする。 まずは愛媛県美術館のボナール《アンドレ・ボナール嬢の肖像 画家の妹: ボナールの奥さんマルトの画は飽きるほど観ているが、これは彼の妹。優しいまなざしが感じられる。日本ファンの画家らしく、掛軸にすることもできるような縦長のフォーマットであることも好感がもてる。 次は、熊本県立美術館の海老原喜之助《曲馬》: パリで藤田嗣治の親交を得た海老原。彼の「エビハラ・ブルー」は有名であるが、この作品の明るい空、馬の上に立つ少年の上着・ズボンの青は、いままで見たエビハラ・ブルーの最高のものである。宋の青磁をたたえる「天青」という言葉がふさわしい青である。 このように、今回の展覧会は少なくとも関東の美術ファンにとってありがたい話である。一方、地方の美術愛好家の反応はどうであろうか。必ずしもポジティブな反応ばかりではあるまい。 誤解を恐れずにいえば、この展覧会はきわめて実験的な展覧会である。「美術館の、美術館による、美術館のための展覧会」でもある。このように一極集中型の展覧会は、地方の美術館の集約化を加速する可能性はないのだろうか。 「美術館関係者」と「美術愛好家」の考え方を完全に一致させることはできないとしても、お互いに理解しあうことは可能である。このことに関していえば、最近「美術ブロガー」の役割がとみに重要になってきている。その意味で今回の展覧会開催に当たって、「美術ブロガー」に直接説明する機会を設けられた美連協関係者に敬意を表する次第です。 美術散歩 管理人 とら (追 記) 前期・2回目ー西洋美術 前期・2回目ー国内美術
by cardiacsurgery
| 2009-04-29 09:24
| 国内アート
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