長谷川等伯展ー信春から等伯への軌跡 ＠石川県七尾市美術館

　この旅行の最終日、寒い雨の土曜日。金沢の美術散歩を予定していたのだが、イマイチ元気が出てこない。

　ホテルのＴＶを見ていると、なんとこの日から長谷川等伯展が始まるとのニュース！早速、方針変更！！！　ポスター↑の上図は対決展でも見た相国寺の《萩芒図屏風》、下図は壬生寺の重文《列仙図屏風》だから心がはやる。　チェックアウトして富山駅に直行。北陸本線の金沢行き鈍行に乗って、津幡駅で降りる。ここで七尾線に乗り換えるのだが、乗換え時間が2分間しかない。

　七尾線のホームは、北陸線ホームからは階段の登り降りの必要な線路の向こう側。旅行の最終日なので重いスーツケースを抱えているので、ここは地獄の乗換え。すると急に若い女性が現れて、荷物の一部を持ってくれて、やっと乗換えに成功した。美術散歩では、困った時には、かならずミューズが現れて助けてくれる。　七尾駅は終点だから安心。写真↑を撮る余裕もある。タクシーで七尾美術館へ。運転手は、七尾出身の長谷川等伯についてのウンチクを傾けてくれた。美術館は緑の芝生に囲まれた美しい建物である。　平成22年は、等伯の没後400年という節目の年。　平成８年度より毎年「長谷川等伯シリーズ展」を開催しているこの美術館では、「生誕地・没後400年記念前年祭」として、初期の仏画から晩年の水墨画までを展示、長谷川派の作品も加えた14点を前期・後期に分けて展示している。しかし前期で観られなかったのは3点だけ。　中でも近年東京国立博物館の調査で発見された二つの《鬼子母神十羅刹女図》↓や、比較的作例の少ない信春時代の水墨画「寒江渡舟図」、基準印と呼ばれる「等伯」印を持つ「萩芒図屏風」などは、何れも七尾では初公開とのこと。
　また、洞爺湖サミット会場を飾った「松林図屏風」の複製や、長男久蔵筆国宝「桜図」と等伯筆国宝「楓図」を綴れ織りで見事に表現した、京都祇園祭浄妙山の懸装品↓も特別公開されていた。
美術散歩　管理人　とら