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Takさんの記事を見て行って来た。昨日、豊洲の UKIYO-e TOKYO で、「月岡芳年名品展ー新撰東錦絵と竪二枚続」を見たばかりだから、連日の芳年展。今年は芳年生誕170年目の節目ということなのだろうか、あちこちで展覧会がある。5月・6月には原宿の太田記念美術館で「風俗三十二相と月百姿」を前期・後期に分けて観ることができることになっている。
![]() 小田急の向ヶ丘遊園で下車。まちがってバス乗車口の反対側の南口に降りてしまった。 こういう時は、神様の思し召しと考えて、運命に逆らわない。コンビニでおにぎりと飲み物を買って、まず交番で道を尋ねる。複雑怪奇な道順であるが、「美術散歩」を自称するものとしては、むしろ楽しみである。交番の裏道の突き当りを右折、府中街道のガードをくぐり、五反田川の左岸を町田方向に歩いていくと、「専修大学へ」との標識がでてくる。川は右に曲がっていくので、今度は小田急電車に沿って歩いていき、踏切を見送ると道は左に折れて、上り坂になる。北野神社を過ぎていくと、だんだん登りがきつくなる。4月といえど、快晴で、とても暑い山登りである。正門への「心臓破りの坂」を避けて目的の図書館への近道を探していると、学生さんが通りかかった。聞くと、同じ方向ということで連れて行ってもらうことになった。 神様が、絶好のガイドを差し向けてくれたのである。学生さんは3年生。道がきついので足の太い女の子は必ずスマートになり、構内が広いので新入生は必ず迷子になるとのこと。10号館という立派な建物の中を通り過ぎて、目的の9号館に入る。そして展覧会場の3階までエスコートしてもらった。大感謝!立派な看板が掛っている。 ![]() ![]() ![]() 「英名二十八衆句」が2点が出ていたが、わたしの嫌いな血みどろ絵に俳句がついている。このうち一点は「鮟鱇切」という逆さ吊りでの殺し、もう一点は「皮剥ぎ」による殺し。 「大日本名将鑑」のうちの1点は有名な《神武天皇》↓。なぜかこの実物には初対面である。 ![]() 役者絵の「雪月花」3点揃い↓はとてもよかった。雪の《岩倉の宋玄》は破戒僧を演ずる尾上梅幸、月の《毛剃九右衛門》は海賊の頭領役の市川三升、花の《御所五郎蔵》は「曾我綉侠御所染」を演ずる左団次。これを見られただけでも生田まで来た甲斐があったというものである。 ![]() ![]() 「機嫌競」3点と「東京開化狂画名所」3点はいずれも面白い戯画。 有名な八犬伝の「芳涼閣両雄動」は昨日みたばかりだが、今回のものは画帳となっていて、横置きにして、ガラスで覆ってあったが、上下の画がずれているのが気になった。後に「一魁随筆」の一点として出てきた《犬塚信乃 犬飼源八》は、芳涼閣からもみ合って川へ転落するその直後の物語。 これも昨日見た有名な「奥州安達ヶ原ひとつ家」はやはり迫力がある。摺りが良く、天井の梁や夕顔の花も良く見えた。前に出ていた《一つ家 尾上菊五郎》は、娘「恋衣」と知らず殺す母親「岩手」のみが描かれているが、夕顔の花が見えている点は同じである。 大判三枚続の《琉球の帰帆》は、籠に鶴を背負った鎮西八郎為と朝と寧王女。「新形三十六怪撰」・「和漢物語」・「皇国二十四功」にもそれぞれ面白いものがあった。「新撰東錦絵」は5点出ていたが、昨日22点すべてを見たばかり。もうひとつの大判三枚続《偽紫田舎源氏》↓は、足利光氏と黄昏が休んでいるところに、鬼女の面をつけた黄昏の母、東雲が出てきて、光氏を襲う迫力ある場面。 ![]() ここで先ほどガイドしてくれた学生さんが登場。興味を持って見に来てくれたのである。「月百姿」の5点ばかりを取り上げて、説明してさしあげたところとても喜んでいただけた。 5階にに上がると素晴らしい休憩所があり、竹の植わった屋上庭園を眺めながら、オニギリを食べた。 ![]() ![]() ![]() 美術散歩 管理人 とら
by cardiacsurgery
| 2009-04-12 00:01
| 浮世絵
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