池上英洋先生「レオナルド・ダ・ヴィンチの謎と驚き」を語る ＠ブリヂストン美術館

　この土曜講座のタイトルは「名画に隠された謎」。池上先生の講義のタイトルは「微笑と輪廻と錬金術」、サブタイトルは「まだまだあるレオナルド・ダ・ヴィンチの謎と驚き」である。友人からチケットを頂いて、拝聴してきたので、ここでは講演の雰囲気を紹介したい。　イントロは、初めて4年間担当した学生さんを送り出した大学教師の喪失感。教育熱心な先生の正直な感想である。

　第一のテーマは、《ラロックの聖母》について。この画については昨年にＴＶで報道され、そのことについては、このブログにも書いたが、詳細はここを参照されたい。年代については1478年頃、作者はレオナルドの弟子、特にGiampietrinoなどが考えられるとのこと。　第二のテーマは、新プラトン主義と両性具有、錬金術、水による輪廻といった高踏的な話題であったが、池上先生の著書をあらかじめ読んでいる人ならば、なんとかついていけたのであろう。　最後のテーマは、《アチェレンツァの肖像画》について。これはイタリアで新たに発見されたレオナルドの肖像画。その記事は、タイムス・オンラインあるいは　その和訳を参照されたい。作者の同定は今後の問題であるが、作品の質はそんなに凄いものには思えないとされた。池上先生が雑誌Penに、この肖像画についての第一報を書かれる予定とのことである。　今回の講演の詳細については、ホームページにまとめてみた。ご叱正いただければ幸いである。

美術散歩　管理人　とら