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戦後間もない時期に、藤原三代の遺体の調査報告書が刊行され、父が買ってきたことを覚えている。この書物で遺体を見てしまっていたので、実際に中尊寺の金色堂に行った際には、中央壇の直下に納められているお棺が気になって、その上のキンキラキンの諸仏↓をジックリと観る余裕がなかった。
会場に入るとすぐは「プロローグ」。 ここに金色堂内の配置そのままに西北壇の仏像十一体が並んでいる。中央に阿弥陀如来↓。その前には、右に観音菩薩、左に勢至菩薩。そしてそのまた前には、右に持国天、左に広目天。さらに、全体の側面に地蔵菩薩が左右3対ずつ並んでいた。 ここには東北の仏像が沢山出ていた。個人的には、この章が今回の展覧会のベスト。 ○岩手・天台寺からは、《伝吉祥天》、《聖観音菩薩》、《如来》の3点。いずれも平安時代末期(11世紀)の作。《伝吉祥天》は、素朴なコケシのような木造仏で、花文や衣の襞が墨で描かれている。《聖観音菩薩》↓は、カツラの一木造。美しい鉈彫で、今回のマイベスト。《如来》は控えめな鉈目の上品なホトケサマである。 ○岩手・成島毘沙門天堂からは《伝吉祥天》↓。これはとても面白い。頭上に象頭。現在、手は2本しか残っていないが、本来18本の手が付いていたらしい。変化観音であろうと説明されていた。 第2章 仏都平泉 ~みちのくの中央・朝日差し夕日輝く~ 藤原氏初代清衡は中尊寺を建立し、続く二代基衡は毛越寺を、三代秀衡は無量光院を建立し、浄土思想に基づく仏教文化が平泉に花開いた。このような仏教都市・平泉の様子が、遺跡から発掘された出土品などによって紹介されていた。 注目したのは宋の景徳鎮の《青白磁茶碗》。柳之御所遺跡出土とのこと。 仏像では、中尊寺の《大日如来》と毛越寺の《阿弥陀如来》が良かった。また中尊寺の《金銅釈迦如来坐像御正躰》・《金銅千住間菩薩坐像御正躰》も印象的だった。 この章で面白かったのは鎌倉時代の《前九年合戦絵巻断簡 帰順願図》。安倍頼時の娘婿の藤原経清と平永衡が源頼光に帰順を願い出ているところが描かれているが、結局、藤原経清は安倍頼時に付き、負けて殺されているのである。 江戸時代の《後三年合戦絵巻》が2巻でていたが、いずれも鮮やかで楽しめた。一つは狩野友益筆。 第3章 輝きの浄土 ~中尊寺の至宝~ 清衡の発願により、金字と銀字で一行おきに書写した《紺紙金銀字一切経(中尊寺経)》は、写経史上の最高峰として名高いものであるが、とくに見返絵に素晴らしいものがあった。ベストは金剛峯寺蔵の《華厳経 巻第五十七》↓で、光線の描写がなんともいえない。 また、平泉をシルクロードの東端とする考えに基づいて、西域の文化の影響を受けたと思われる文物が展示されていた。↓は中尊寺の《金銅迦陵頻伽文華鬘》。迦陵頻伽とは、半鳥半人である。 仏像や経文は美術展、出土品は博物展。両者が交じり合った展覧会である。世界遺産を目指す「ナンデモ有り」展覧会である。 美術散歩 管理人 とら
by cardiacsurgery
| 2009-03-20 22:25
| 仏像
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