中国の鏡 @東京国立博物館 東洋館

　中国の鏡の特集陳列。青銅は、本来は金色ないし銀色を呈し、磨くとものの姿をよく映すため、鏡として用いられた。博物館で見るのは装飾を施した背面である。しかし、今回は一枚だけであるが、鏡の正面↓も見られるようになっていた。　中国で青銅鏡が普及したのは戦国時代で、鏡の背面の図像は、幸福をもたらすめでたい図柄が基本となっており、漢時代以降になると、めでたい言葉が銘文として表わされることが多くなる。背面の図像は鋳型で作られた。↓は、前漢時代・前2～前1世紀の《草葉文鏡　鋳型》。
　今回の特集では、中国の青銅鏡のなかから代表的なものを選んで展示し、図案と銘文の解説がなされていた。とても勉強になったので、写真を撮ってきた。もちろんこの画像では詳細を伝えることことはできない。単眼鏡持参でお出かけになり、実見されることを強くお勧めする。今まで通り過ぎていた青銅鏡に素晴らしいメッセージが込められていたことを知ることができる。

○　《獣文鏡》　戦国時代・前4～前3世紀












○　《山字文鏡》　戦国時代・前4～前3世紀













○　《方格規矩蟠ち文鏡》　前漢時代・前2世紀













○　《草葉文鏡》　前漢時代・前2～前1世紀












○　《連弧文｢清白｣鏡》　前漢時代・前1世紀











○　《連弧文鏡》　後漢時代・1～2世紀

○　《｢延熹七年｣獣首鏡》　後漢時代・延熹7年(164)











○　《画文帯同向式神獣鏡》　後漢～三国時代・2～3世紀











○　《四神十二支鏡》　隋時代・6～7世紀











○　《海獣葡萄鏡》　唐時代・7～8世紀












○　《仙人騎鳥獣八稜鏡》　唐時代・7～8世紀











○　《雲龍八花鏡》　唐時代・8世紀

○　《龍文鏡》　宋時代・10～13世紀

○　《許由巣父鏡》　金時代・12～13世紀










○　《呉牛喘月鏡》　金時代・12～13世紀










○　《双魚文鏡》　金時代・12～13世紀

○　《「寿山福海」鏡》　元時代・13～14世紀

○　《人物多宝鏡》　明時代・14～17世紀











　引用させていただいた説明キャプションは担当学芸員谷豊信氏の労作である。まことにありがとうございました。

美術散歩　管理人　とら