「楊州周延展」関連シンポジウム 「明治：近代性とノスタルジア」 ＠国際基督教大学

　風雨の中、ＩＣＵを再訪して聴いてきた。内容はホームページにアップしたので、こちらではその雰囲気を・・・。

　12時に展覧会場である湯浅八郎記念館受付に集合。聴講無料なのに、綴じ込みの資料↓をいただいて恐縮。　会場の理学館まで、学生さんが傘をさし掛けて案内していただいたので、さらに恐縮。

　デジカメを持っていくのを忘れたので、携帯で撮影。ピンボケ乞ご容赦。　前半の講演は、ほとんど英語。ＩＣＵのM. ウイリアム・スティール教授は日本語も上手でチャンポンの講演なので漫才のようだった。

　彼の講演は二つ。一つは「特別展の紹介」。↓はコレクションのあるスクリップス大学。　もう一つは「反西洋主義と明治文化の変容」。↓は現在展示中の歌川芳藤の《本朝舶来道具くらべ》の一部。昨日この画は出ていなかったのだが、係員に聞くと、この講演会のため架け替えたとのこと。ランプと行燈の闘いである。　西欧化反対論者である佐田介石の紹介は、現在東博で展覧会が開かれている福沢諭吉との対比でタイムリーな内容だった。↓はやはりこの講演のために架け替えた佐田翼眼の《富国歩ミ初メ》。　とても示唆に富んだ良い講演だったので、立ち上がって佐田の中国観について質問してみた。英語での質問であるが、丁寧な英語で答えが還ってきた。

　及川茂　日本女子大学教授の英語の講演「明治の知られざる浮世絵師」では、梅堂豊斎なる絵師の名を初めて聞いた。　カリフォルニア大学アーバイン校　アン・ウォルソール教授の講演「19世紀末ノスタルジアー周延と千代田城の女中」では、女史の浮世絵に関する博識に感心するとともに、楊州周延の「大奥絵」を「一夫多妻制社会へのノスタルジア」に関連付けるフェミニストの視線に少し驚いた。　後半は日本語の講演ばかりだったが、時間の関係で失礼した。

美術散歩　管理人　とら