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雨と風の中、ICUに連続して通うことになった。米国スクリップス大学の楊州周延コレクションの展覧会が2006年から全米6大学で開催された後、日本に巡回してきており、これに合わせて講演会も開かれたからである。
この展覧会の副題は、「Modernity and Nostalgia in Japanese Print」、邦訳では「浮世絵における近代性とノスタルジア」となっている。このModernityというのは明治維新にともなうわが国の近代化という意味で、西洋画のModerniteとは関係がないようだ。ちらし↓は、《上野不忍大競馬の図》。軍服に身を包んだ明治天皇が皇后と共に見物している。戦いの場となった上野の山も上野公園となっており、それを描く周延の気持ちはどのようなものだったのだろうか。 最初には、西南戦争直前の西郷隆盛や桐野利秋を描いた画が出てくる。周延は隆盛に同情的だったのではなかろうか。また、上野で自分を釈放してくれた桐野利秋には特別の感情を持っていたことは想像に難くない。 《見立 松竹梅之内 松茸かり》は、天皇の側室とその侍女が松茸がりをしている情景だが、エロティックなパロディとなっている。このころの周延の心情を反映しているのかもしれない。しかし、その後には《帝国万歳 憲法発布略図》や《貴顕舞踏の略図》↓のように時代に迎合したプロパガンダ的な開化絵に移っていく。 また新旧の文化の対応を客観的に見つめる余裕が出てきたらしく、《幻灯写心競 学校試験》↓といった面白い構図の画を描いている。 この意味で、今回の「スクリップス大学コレクション」は必見である。おまけに入場無料である。 この博物館は昨年の「幕末・明治の浮世絵展」に続き2回目であるが、素晴らしい展覧会を開いておられることに敬意を表する。 この展覧会は3月19日までであるが、3月2日から太田記念美術館でも「楊州周延展」が開かれる。武蔵境と原宿で楊州周延の競演となる。 講演会については別記。 美術散歩 管理人 とら
by cardiacsurgery
| 2009-01-31 20:14
| 浮世絵
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