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「素朴画」というのは、アンリ・ルソーやアンドレ・ボーシャンなど西洋絵画の一ジャンルとばかり思っていたが、日本の絵画にも「素朴画」という概念が登場してきた。
そして大津絵のほか、松尾芭蕉や与謝蕪村の俳画には「素朴表現」がみられる。 しかし長徳寺の迫力ある《六道絵》↓となると、なにが素朴なのか理解しにくいが、有名な絵を見られただけよいとする。 第Ⅲ章 近代の素朴回帰: 西洋美術の影響で一旦は写実主義の陰に隠れてしまった素朴画が再び現れて来たという。この章は5節に細分されている。 1.リアリズムから素朴へ: 小川芋銭、小杉放庵は、なるほど素朴な画。 だが萬鉄五郎や岸田劉生とくるとオヤッと思うが、いずれも写実の洋画から日本画に転じている。熊谷守一、斉藤与里は納得。 2.晩年の素朴スタイル: 梅原龍三郎や中川一政では、再びオヤッと思うが、晩年の作品は日本的な感覚である。とにかく既成概念にとらわれず、その画の素朴さを見出していかねばならないらしい。 3.我が道を行く素朴: 「日本のアンリ・ルソー」と呼ばれる横井弘三の画がたくさん出ていた。なるほどこれは「素朴画」である。「放浪の画家」長谷川利行も素朴画家に入っていた。↓は長谷川の《カフェの入口》。 これは「日本における素朴画」という新しい切り口の展覧会で、いささかの疑問を持ちつつも、その野心的な展観をエンジョイした。 前期は12月28日まで、後期は1月4日ー25日まで。 美術散歩 管理人 とら (追 加) 座談会「日本の素朴画を語る」 12月13日 @松涛美術館 司 会: 矢島新(松涛美術館学芸員)矢島氏は「リアリズムではない日本の美意識」として、「単純な、すっきりとした、ゆるい、大きさの比率が甘い」といったような画を「日本の素朴画」とまとめられた。まず、「寺社縁起絵巻」について、この素朴画の考え方を説明された。これに対しては特別の議論はなかった。 次に示された《つきしま》や《かるかや》といった作品群については、素朴な画とはいえるが、描き慣れた画でもあるということで意見が一致した。 「禅画」については、自分の楽しみで描いているという面もあるが、教訓的なメッセージをこめている画であるということになった。禅画を素朴画と考えることに対しては、浅井氏からはっきりとした意見は出てこなかった。 「南画」については、星野氏は大雅や蕪村はリアリズムそのものであるとの意見を述べられ、矢島氏の素朴画に包含することに疑問を表された。星野氏は、これに対し、浦上玉堂は「切実系素朴画」で、木米は「ほのぼの系素朴画」といえるのではないかとの考えを示された。 わたしは、「西洋画と違い、東洋画ことに日本画には画と文字をコラボレーションする作品があり、そういった作品では、文字とのバランスのため画があまり強調されないのではないか」との意見を述べたところ、星野氏はこれに賛意を表された。 座談会終了後、星野氏と話す機会があった。今回展示されているような作品を日本絵画の中で包括して考えていくという矢島氏の問題提起は貴重なものであるけれども、「素朴画」という言葉は必ずしもベストのネーミングではないのではないかということになった。 このことを、矢島氏に申し上げたところ、「別な名前としてはどういうものがいいでしょうか」と尋ねられてしまった。適切な名称があれば、ご提案下さい。 美術散歩 管理人 とら
by cardiacsurgery
| 2008-12-10 19:21
| 国内アート
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