|
最新のコメント
最新のトラックバック
カテゴリ
全体
国外アート ルネサンス バロック 印象派 印象派後期 現代アート(国外) 現代アート(国内) 国内アート 江戸絵画(浮世絵以外) 戦争画 アート一般 浮世絵 東洋アート 講演会 仏像 書籍 音楽 映画 北海道の鈴 東北の鈴 関東の鈴 中部の鈴 関西の鈴 中四国の鈴 九州の鈴 ヨーロッパのベル アジアのベル アメリカのベル オーストラリアのベル 未分類 以前の記事
お気に入りブログ
外部リンク
ファン
|
北斎生誕記念250年記念展。前期・後期ともに行ってきたが、ここではまとめた一つの記事とする。
その前に、2006年に、Takさんから Honolulu Academy of Arts 土産として頂いた初摺り Great Wave Off Kanagawa のTシャツの写真をアップする(その時の記事はこちら)。 ![]() ![]() ・富嶽三十六景: 全46図中の44図このうちの《百人一首姥がゑとき》については、難解なものが多いので、自分自身で絵解きを試みて、その結果を10回連続のブログ記事にしている。 [001-010], [011-020], [021-030], [031-040], [041-050] [051-060], [061-070], [071-080], [081-090], [091-100] この《百人一首姥がゑとき》は、出版に至ったものは27図だけで、その他の64図は、校合摺1図、版下絵56図ならびにこれを基にした亜鉛凸版による復刻版7図として残っている。 今回、唯一の校合摺である《百人一首姥がゑとき 壬生忠峯》が展示されていたので、それについて少し述べる。 ![]() ![]() ・壬生忠岑曰く: 後朝の別れはつらいねぇ。第2セクション(展示室6~7)には、摺物、肉筆画、未公開品など、いろいろ興味ある作品が並んでいた。 ・《富士見西行図》: 春朗期初期の柱絵で、初出品の稀な作品。 ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() 美術散歩 管理人 とら
多数のお気に入りの中から、撮ってきた写真をアップする。
・葛飾北斎《牧馬》 : ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() 美術散歩 管理人 とら 【同日記事へのリンク】 1) 東洋の青磁 2) 平治物語絵巻 六波羅行幸巻 3) 仏画鑑賞 4) 絵巻鑑賞 5) 屏風・掛軸鑑賞 6) 浮世絵鑑賞 7) ボストン美術館 日本美術の至宝(再訪)
昨日まで10日間連続記事を書いていた「葛飾北斎《百人一首姥がゑとき》のとらの絵解き」が完了したので、本日は三井記念美術館に「ホノルル美術館所蔵北斎展・後期」を見に行った。ここでは展覧会場を出たところにあるレクチャールームで遭遇したデジタルアーカイブについて書くこととする。
![]() イベントの詳細はこちらのHPに載っていますが、その一部を引用します。 本イベントでは、凸版印刷が制作した「北斎漫画デジタル作品」を55インチの大型モニターに映し出し、冊子本の北斎漫画の展示では難しかった、『北斎漫画』の表現豊かな江戸時代の世界を一望することができます。 さらに、「北斎漫画デジタル作品」はICカードを用いたタッチインターフェイスによる、インタラクティブな鑑賞も可能。 鑑賞者がモニター手前に設置されたカードリーダに、あらかじめ設定された「ある日の長屋」や「食いねぇ!」など17のテーマのカードをタッチすることで、画面全体に散りばめられた『北斎漫画』の様々なジャンルの中からテーマに沿った画像のみを抽出する仕掛けも用意するなど、『北斎漫画』をデジタルならではの切り口で鑑賞できます。私の行った時には、係員が操作しておられましたが、次のような面白い画面がありました。 ・太った男が、肥ったウナギをさばいている。 ・痩せた男が、細長い魚(サヨリ?)をさばいている。 (諺がありそう) ・蛇が鎌首をあげている。 ・周囲の人々は逃げ惑っている。 ・視力障害者は平然としている。 (諺⇒めくら蛇に怖じず) ・読書中の男の頭に扇子がぶら下がっている。 (この諺は係員も分からないとのこと) お勧めします。 美術散歩 管理人 とら
091
きりぎりす 鳴くや霜夜の さむしろに 衣かたしき ひとりかも寝む ![]() ![]() ![]() ・画の中の女性のつぶやき: わたしは男性の藤原良経のはずなのに、なぜ女性の姿で描かれているのでしょう。またまた北斎の悪戯でしょうか。 ![]() ![]() わが袖は 潮干にみえぬ 沖の石の 人こそしらね かわくまもなし ![]() ・漁師の女房曰く: 赤ん坊をおんぶして、浜の仕事を手伝ってるのさ。昔のお姫様は涙で袖を濡らしったっていうが、呑気なものだねぇ。わたしの着物が濡れたとすれば、背中の赤ん坊がオシッコしたってことだよ。左手のカゴに入ってるのはもちろんオムツ。右手は採れた貝の運搬のお手伝い。 ![]() ![]() ![]() 世の中は つねにもがもな 渚こぐ あまの小舟の 綱手かなしも ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ・北斎のつぶやき: とらさんの慧眼には恐れ入りの助だよ! 094 み吉野の 山の秋風 さ夜ふけて ふるさと寒く 衣うつなり 参議雅経 095 おほけなく うき世の民に おほふかな わがたつ杣に 墨染の袖 ![]() ・北斎曰く: 慈円様は天台宗の座主のなられたお偉い方ですが、お歌では「墨染」と「住み初め」が掛詞となっておりましたので、行列の後の方にしてしまいました。失礼があれば、お許しください。 ![]() ![]() 096 花さそふ 嵐の庭の 雪ならで ふりゆくものは わが身なりけり ![]() ![]() ![]() 097 こぬ人を まつほの浦の 夕なぎに 焼くやもしほの 身もこがれつつ ![]() ![]() ・北斎、時空を超えて曰く: 村雨さん、まことに失礼しました。江戸時代には、藻塩という製塩法はすたれていたものですから、いろいろ不行き届きがあり申し訳ありませんでした。 ![]() ・竈の前に坐って火吹き竹を吹いている男、傍らの煙草入れを横目でみながら曰く: そろそろ一服したいな。いいだろ、北斎さん。 098 風そよぐ ならの小川の夕ぐれは みそぎぞ夏の しるしなりける ![]() ![]() ![]() ・父親、答えて曰く: 禊ぎに来た人たちだよ。 ・背中の子供、重ねて訊く: 馬もわるいことしたの。 ・父親: 絶句。 ![]() ![]() ![]() ・とらのつぶやき: 「《百人一首姥がゑとき》が描かれたのは、「前北斎卍」とある署名の形式や画風からみて、天保6~7年で、その頃の北斎は数えで76~77歳頃だと考えられているようですが・・・。 ・幟幡のつぶやき: 北斎てお人は、ちょっとオーバーな人だったからね。ここでは、実際より老人くさくしておいて、同情を引こうとしたのじゃないの。 099 人もをし 人もうらめし あぢきなく 世を思ふゆえに 物思ふ身は ![]() ![]() ・百人一首の選者・藤原定家曰く: とらさん、ご苦労様でした。百首を選定した私の苦労もご理解いただけたと存じます。それではお元気で。サヨナラ、サヨナラ。 ・北斎曰く: 今回、私が仕組んだ謎がいくつか解かれてしまい、ちょっと淋しい気もします。でも、私の真意が少しでも正しく伝わるようになってきたのは何よりでした。とらさん、ありがとう。また展覧会場でお会いしましょう。See you soon at the Museum. 100 ももしきや ふるき軒ばの しのぶにも なほあまりある 昔なりけり 順徳院 ・「とら」よりの御礼の一言: 長大な連載記事におつきあいいただき、まことにありがとうございました。浅学不才の身ですので、いくつもの誤解や誤謬などあろうかと存じます。なにとぞ、ご寛容の上、今後ともよろしくお願い申し上げます。 美術散歩 管理人 とら リンク [001-010], [011-020], [021-030], [031-040], [041-050], [051-060], [061-070], [071-080], [081-090], [091-100]
081
ほととぎす 鳴きつる方を ながむれば ただ有明の 月ぞ残れる ![]() ![]() ![]() 082 思ひわび さてもいのちは あるものを 憂きにたへぬは 涙なりけり ![]() ![]() ![]() 083 世の中よ 道こそなけれ 思ひ入る 山の奥にも 鹿ぞ鳴くなる ![]() ![]() ![]() ながらへば またこの頃や しのばれむ 憂しと見し世ぞ 今は恋しき ![]() ![]() ![]() 085 夜もすがら 物思ふころは 明けやらで 閨のひまさへ つれなかりけり ![]() ![]() ![]() 086 なげけとて 月やは物を 思はする かこち顔なる わが涙かな ![]() ![]() ![]() 087 村雨の 露もまだひぬ まきの葉に 霧たちのぼる 秋の夕ぐれ ![]() ![]() ![]() 088 難波江の 蘆のかりねの 一夜ゆえ みをつくしてや 恋ひわたるべき ![]() ![]() ![]() 089 玉の緒よ たえなばたえね ながらへば 忍ぶることの 弱りもぞする ![]() ![]() ![]() ![]() ・北斎曰く: それなら部屋の中の画のモチーフ。でも、この夢解きは難しいね。 ・とらのつぶやき:「梅は女性」で「馬は男性」? アッ、これまた失礼。 090 見せばやな 雄島のあまの 袖だにも ぬれにぞぬれし色はかはらず ![]() ![]() ![]() ![]() 美術散歩 管理人 とら リンク [001-010], [011-020], [021-030], [031-040], [041-050], [051-060], [061-070], [071-080], [081-090], [091-100]
071
夕されば 門田の稲葉 おとづれて 蘆のまろやに 秋風ぞ吹く ![]() ・棹を担いでいる男曰く: アッ、あそこに雁の群れが! ・左手に撞木をもった坊さん、右手で笠を持ち上げつつ曰く: 本当だ。雁が家並みの方に下りてくる。落雁だね。風にたなびく稲の穂波も秋らしいよ。 ![]() 音に聞く 高師の浜の あだ波は かけじや袖の ぬれもこそすれ ![]() ![]() ・袖を引かれた女性曰く: 冗談じゃないわよ。あんなスケベそうなオジサン、すぐ飽きて捨てるんでしょう。後で泣いて、涙で袖を濡らしたくないね。 ![]() ・草履を揃える人夫曰く: チップをはずんでくれれば、何でもするぜ。 ![]() ・北斎の反応: とらさん、ご質問多謝。しかし、これは当工房の「企業秘密」なので、答えを控えさせていただきます。 073 高砂の をのへの桜 さきにけり 外山のかすみ たたずもあらなむ ![]() ![]() 074 憂かりける 人を初瀬の 山おろし はげしかれとは 祈らぬものを ![]() ![]() 075 契りおきし させもが露を いのちにて あはれ今年の 秋もいぬめり ![]() ![]() ・親父、小声で曰く: 今年も講師になれなかったから、あんまり偉くないらしいよ。 ・光覚の隣の男、なぐさめて曰く: 来年こそは、太政大臣のお力で何とかなりますよ。 ・光覚のつぶやき: だめな親をあてにした俺が悪いのよ。 ![]() ・北斎のつぶやき: 分かってるなら、訊くなよ。 076 わたの原 こぎいでてみれば 久方の 雲いにまがふ 沖つ白波 ![]() ![]() ![]() ・船の漕ぎ手B曰く: 北斎さん、こんなデカイ浪描かないくれよ。そちらは、Great Wave で世界的に有名になったのだから、もういい加減にしてほしいな。 ![]() ・とらの質問: ところで北斎さん、今年の大河ドラマ「平清盛」はちょうど保元の乱のところが放映中なんだ。この歌の題詠を命じた崇徳天皇と作者の藤原忠通は保元の乱で戦うってことは、とっくにご存知でしょうが、大浪に呑まれそうになっているのが崇徳天皇の見立で、遠くの船から眺めているのが後白河天皇を奉じた藤原忠通ということはないのだろうね。 ・北斎答えて曰く: とらさん、深読みするねぇ。これは、ご想像にお任せしたほうがよさそうだな。 077 瀬を早み 岩にせかるる 滝川の われても末に あはむとぞ思ふ ![]() ![]() ・橋の上で老いた農婦に出会った上流階級の女性曰く: この女とは以前に逢った気がするが・・・。なるほど、これは北斎の悪戯だな。農婦が昔の私の愛しい女性の見立て、上流階級の女性が私の見立てというわけか。昔の私には女々しいところがあったというわけなのだろうか。 ・北斎儀、謹んで申す: 崇徳院さま、お気づきになりましたか。鳥羽上皇には勝手にやられ、後白河天皇にも負けて配流に憂目にあうなど、男性としては本当にお気の毒な人生でした。次の世には女性としてお生まれになられれば、ずっと幸せな人生を送ることができるかもしれないと存じ、かような絵を描いてしまいました。もちろん、前世での愛しいお方はこのような年老いた農婦になっておられるかもしれませんが。 ・崇徳院曰く: 北斎め、不埒だぞ。時空を超えて、お前を罰しに行きたいが、そうもいかないので、切歯扼腕しておる。本当に「男はつらいね」。 ・とら、崇徳院に向かって奏上: まことにもって御意。「ふうてんの寅」も同意でござる。 078 淡路島 かよふ千鳥の なく声に 幾夜ねざめぬ 須磨の関守 ![]() ![]() ![]() (註)「製塩の工程」はこちらを参照しました。揚げ浜塩田での作業工程は以下のように複雑です。 ▲海水汲み、▲荒潮桶で海水を塩田へ運ぶ、▲汲み上げた海水を引桶(ひこけ)に入れる、▲打桶(うちょけ)で海水を霧状に撒く、▲鹹砂(かんしゃ)寄せ、▲細把え(こまざらえ)を使って鹹砂を浮かす、▲鹹砂を沼井中心に柄振(えぶり)を使って蒐集、▲端間桶(はざまおけ)へ込みで鹹砂を入れる、▲実桶(みおけ)に鹹水を汲み入れる、▲鹹水を釜屋へ運んで、濾過・脱色する、▲鹹水を煮詰めて塩を取り上げる。 079 秋風に たなびく雲の たえ間より もれいづる月の 影のさやけさ ![]() ![]() ![]() ![]() ・松明を持った少年曰く: わたしには、少なくとも松明は必要ですよ。 080 長からむ 心もしらず 黒髪の 乱れてけさは ものをこそ思へ ![]() ・北斎曰く: 江戸時代の男もこの手にやられるのよ。 ・とら曰く: 平成の男も同じでしょう。 ![]() 美術散歩 管理人 とら リンク [001-010], [011-020], [021-030], [031-040], [041-050], [051-060], [061-070], [071-080], [081-090], [091-100]
061
いにしへの 奈良の都の 八重桜 けふ九重に にほひぬるかな ![]() ![]() ・北斎のつぶやき: あの樹は大きすぎて、宮廷の門を通らないけれど、良いのかい? 062 夜をこめて 鳥のそらねは はかるとも よに逢坂の 関はゆるさじ ![]() ![]() 063 いまはただ 思ひ絶えなむ とばかりを 人づてならで 言ふよしもがな ![]() ![]() ![]() ・北斎のつぶやき: 二人の悲恋物語にほだされて、屋敷に閉じ込められた当子内親王になんとか会いたいと、外でうろうろする道雅を描いたってわけよ。まともすぎたかな? ・とらのつぶやき: 今回は、得意の皮肉はお休みですね。 064 朝ぼらけ 宇治の川霧 たえだえに あらはれわたる 瀬々の網代木 ![]() ![]() ![]() ・北斎のつぶやき: やっぱり、景色より食べ物だね。 065 うらみわび ほさぬ袖だに あるものを 恋にくちなむ 名こそをしけれ ![]() ![]() ・反物売り曰く: そんなケチのついた着物なんか捨てて、新しい反物買ってよ。そのほうが運が付くぜ。 ・北斎のクエスチョン: 右手に描いた小さな塚に気付きましたか?あれは何でしょう。 ![]() 066 もろともに あはれと思へ山桜 花よりほかに 知る人もなし 前大僧正行尊 067 春の夜の 夢ばかりなる 手枕に かひなくたたむ 名こそをしけれ ![]() ![]() ![]() ![]() ・北斎のつぶやき: 嫉みは怖いね。 ・とらのつぶやき: 同感。 068 心にも あらでうき世に ながらへば 恋しかるべき 夜半の月かな ![]() ![]() ・神殿で三条院曰く: 心ならずも5年足らずで退位するのは本意ではありませんが、ここに神器の刀を返納いたします{↑左)。 ・とらの北斎へのクエスチョン: 神殿内の机の上の鈴や紙、それから若者が捧げ持つ壺は何なのよ? ・北斎曰く: もうすこし有職故実を勉強しなさいよ。 ・とら曰く: 意地悪! ・北斎曰く: 小さな意地悪は俺の趣味!! 069 あらし吹く 三室の山の もみぢばは 竜田の川の 錦なりけり ![]() ![]() ![]() ・北斎のつぶやき: 庶民には景色を愛でてる暇はないのよ。平安時代も江戸時代も格差社会。 ・とらのつぶやき: 平成の現代も厳しい格差社会だよ。 ・北斎のためいき: 150年経っても進歩してないのだねぇ。人間て、ダメな動物なのかな。 070 さびしさに 宿を立ち出でて ながむれば いづこもおなじ 秋の夕ぐれ ![]() ![]() ![]() 美術散歩 管理人 とら リンク [001-010], [011-020], [021-030], [031-040], [041-050], [051-060], [061-070], [071-080], [081-090], [091-100]
051
かくとだに えやはいぶきの さしも草 さしもしらじな もゆる思ひを ![]() ・北斎のつぶやき: 藤原実方朝臣さん、「さしも草」なんて平成の人間にはわからないかも。 ・藤原実方朝臣、時空を超えて、答えて曰く: そうですか。教育程度がだんだん低下してるのですね。 ・北斎の解説: 「さしも草」ってぇのは、お灸のモグサの原料のヨモギのことですよ。↓の看板に描いておきましたよ。 ![]() ![]() ・とらの回答: 晒しヨモギを買付に来た商人の一人が、奥の女性に色目を使っているところでしょう。歌の意味としては百人一首と同じですね。それから、母親のほうが、お盆に載せてるのは、お茶とヨモギ餅じゃないかな。 ・北斎の反応: まあ、このぐらいのことは平成の者どもでもわかるわな。では、最後のクエスチョン。↓の幟のアナウメだよ。 ![]() 052 明けぬれば 暮るるものとは 知りながら なほうらめしき 朝ぼらけかな ![]() ・藤原道信朝臣曰く: 夜が明け、また日が暮れてあなたに逢えるとは分かっているのですが、それでもなお恨めしい夜明けです。 ・北斎のつぶやき: 夜が明けて、吉原から急いで自分の仕事に戻っていく大勢の「お店もの」を描いたのだが、平成の人間に分かるかな。 ・とらのつぶやき: 赤線を知ってる75歳以上の男には分かりますよ。でも、本歌の「朝ぼらけ」を眺める余裕のある男は、↓左に描かれたスペアの駕籠かき一人だけですね。江戸時代の「お店もの」も結構時間に厳しいってことも描いたのでしょう。 ![]() 嘆きつつ ひとりぬる夜の あくるまは いかに久しき ものとかはしる ![]() ・画の中の手燭を持った女性↓曰く: 酔っぱらって、庭で寝てないかしら。 ![]() ![]() 054 忘れじの ゆくすえまでは かたければ 今日を限りの 命ともがな 儀同三司母 055 滝の音は たえて久しく なりぬれど 名こそ流れて なほ聞えけれ ![]() ・北斎のつぶやき: 江戸の庶民は将来の名声よりも、今の享楽。ほれ、滝の眺めを肴に一杯↓。それ、滝の音と姐さんの三味線の合奏↓↓。 ![]() ![]() あらざらむ この世のほかの 思ひ出に いまひとたびの あふこともがな ![]() ![]() ![]() ・召使女曰く: 確かに受け取りました。これをお渡しして、返書をいただいてまいりますから、少々お待ちください。 057 めぐりあひて 見しやそれとも わかぬまに 雲がくれにし 夜半の月かな ![]() ・紫式部曰く: せっかく久しぶりにお逢いできたのに、すぐに帰ってしまわれました。まるで雲間にさっと隠れてしまう夜半の月のようでした。 ![]() ![]() ・北斎のつぶやき: 「とら」さん、なかなかいい線いってるよ。 058 有馬山 猪名の笹原 風吹けば いでそよ人を 忘れやはする 大弐三位 059 やすらはで 寝なましものを さ夜ふけて かたぶくまでの 月を見しかな ![]() ・北斎のつぶやき: こんなに明るければ、期待するようなロマンチックなことなど起こるはずもありませんよ。寝るのが正解。 ![]() 大江山 いく野の道の 遠ければ まだふみも見ず 天の橋立 ![]() ![]() ![]() 美術散歩 管理人 とら リンク [001-010], [011-020], [021-030], [031-040], [041-050], [051-060], [061-070], [071-080], [081-090], [091-100]
041
恋すてふ わが名はまだき 立ちにけり 人知れずこそ 思ひそめしか ![]() ![]() 契りきな かたみに袖を しぼりつつ 末の松山 波こさじとは ![]() ・心変わりした女曰く: 「想定外」の好い男が現れてしまったのだから堪忍してください。 ・清原元輔、時空を超えて、北斎に尋ねる: 「末の松山 波越さじ」とは貞観11年(869年)の三陸津波の時のことだということを知ってたのかね。 ・北斎答えて曰く: 江戸時代の人は知ってましたよ。だからこの画を描いたのです。 ![]() ・清原元輔、時空を超えて、「とら」に向かって曰く: 「想定外」のことは平安時代にも起こってますよ。現に、私の女が心変わりしたことも「想定外」でしたね。 043 逢ひ見ての 後の心に くらぶれば 昔は物を 思はざりけり ![]() ・相手の女曰く: 巧いこといって、他に女を作っていることなどとっくにバレてますよ。だから、毎晩、神社に丑の刻参りして、御神木にその女に見立てた藁人形を五寸釘で打ち込んでるのよ。 ![]() ・北斎曰く: 白装束を身にまとい、顔に白粉を塗り、頭に五徳をかぶってそこにロウソクを立て、一本歯の下駄を履き、胸には鏡、腰には護り刀、口には櫛を咥えるというのが、呪いのファッションだったのですよ。 ・とらのつぶやき: それにしても女の情報網と怨念はすざましい。平成の男性諸君、ご用心、ご用心! ・とらのウンチク: 北斎さんが丑の刻参りに興味を持ってたことは知ってますよ。「北斎漫画」にも載ってますからね。 ![]() 逢ふことの 絶えてしなくは なかなかに 人をも身をも 恨みざらまし ![]() ・北斎のつぶやき: この中納言も困ったものだな。謡曲や歌舞伎の「葛の葉」に登場する「安倍保名」のことを考えてみてほいな。 ![]() ・「葛の葉」曰く: 童子丸も5歳になったので、わたしはもう森に帰らねばなりません。わたしの正体は助けられた白狐なのです。頭上の狐火をご覧になればお判りでしょう。 ・「童子丸(のちの安倍晴明)」曰く: 本当にお世話になりました。一生懸命、陰陽師の勉強をします。 ・「葛の葉」の別れの一首: 恋しくば尋ね来て見よ 和泉なる信太の森のうらみ葛の葉 045 哀れとも いふべき人は 思ほえで 身のいたづらに なりぬべきかな ![]() ・機織りの中のやんごとなき女性曰く: そんなこと云われても困るわ。 ![]() ![]() ・糸繰り女曰く: そんなことお坊さんに訊いてごらんなさい。 ・北斎のつぶやき: 仏教の根本原理ぐらい知ってると思ったんだけど・・・。 046 由良の門を 渡る舟人 かぢを絶え ゆくへも知らぬ 恋の道かな 047 八重むぐら しげれる宿の さびしきに 人こそ見えね 秋は来にけり ![]() ![]() ・恵慶法師、答えて曰く: 歌の邸は「源氏物語:夕顔巻」に出てくる荒廃した源融邸(河原院)のことよ。儂の家のほうにはなんの問題もないので、心配ご無用。 ・北斎のつぶやき: お節介な法師の歌をオチョクッテみただけさ。これまた失礼! 048 風をいたみ 岩うつ波の おのれのみ くだけて物を 思ふころかな 049 みかきもり 衛士のたく火の 夜はもえ 昼は消えつつ 物をこそ思へ ![]() ・大中臣能宣朝臣曰く: 宮中の門を守る衛士の焚くかがり火が、夜は燃え昼は消えるように、私の恋心も夜には燃え上がり、昼は悶々と思い悩んでいる。 ・とらのつぶやき: 画の中の大臣、大丈夫かね。飛び降り自殺しそうな場所だけど。 ・北斎のつぶやき: 高級官僚はしぶといものよ。 ![]() 君がため 惜しからざりし 命さへ 長くもがなと 思ひけるかな ![]() ・藤原義孝曰く: あなたのためなら惜しくないと思っていた命も、逢うことがかなった今となっては、ずっと長らえたいと思うのです。 ・一緒に温泉旅行に来ている女性曰く: この世は天国。長生きしなきゃ損よ。 ![]() 美術散歩 管理人 とら リンク [001-010], [011-020], [021-030], [031-040], [041-050], [051-060], [061-070], [071-080], [081-090], [091-100]
031
朝ぼらけ 有明の月と 見るまでに 吉野の里に 降れる白雪 ![]() ・雪の吉野山で材木を運ぶ人々曰く: 上流階級の人は気楽だね。俺たちは、寒さの中で重労働。 ![]() 山川に 風のかけたる しがらみは 流れもあへぬ 紅葉なりけり ![]() ・春道列樹曰く: 風によって散った紅葉が川の中に集まって、流れ止めの柵(しがらみ)のようになってる奇麗だね。 ・川の中の紅葉をかき集める男曰く: 奇麗なんてものじゃないぜ。流れが堰き止められたら水害だよ。木の橋だって流失してしまうかも。 ![]() 久方の 光のどけき 春の日に しづ心なく 花の散るらむ ![]() ・紀友則曰く: 穏やかな日光が射している春の日に、なぜ桜の花はあわただしく散るのだろうか。 ・木造船の手入れをしている男たち: 桜が散ろうと散るまいと、勝手にしやがれだよ。この季節はの船乗りたちは船の手入れで大わらわ。「あわただしい」のは桜の花だけじゃないよ。 ![]() ![]() ![]() ・とらのコメント: 木造船の手入れのことでしょう。最近スカイツリーで有名になった 歌川国芳の《東都三ツ股の図》↓にもありましたね。船底を燻してフナムシを殺したり、つかないようにしているんでしょう。 ![]() ・とらの返事: まあ、最近はこんな漢字は分からなくなっているから、「船焼」と書いて「ふなたで」と読ませているようですよ。それにしても、炎の赤↓が見事ですね。これが出版されなかったのはかえすがえすも残念ですね。 ![]() 034 誰をかも 知る人にせむ 高砂の 松も昔の 友ならなくに ![]() ・古い松の樹曰く: 俺だって高齢化して、折れてしまわないように支柱で援けてもらってるしまつよ。杖が必要ないだけいいじゃないの。 ![]() ![]() 人はいさ 心も知らず ふるさとは 花ぞ昔の 香ににほひける ![]() ・紀貫之曰く: 人間の心は分からないけれど、故郷の梅の花はかつてと同じ香りをただよわせていますよ。 ・久しぶりで故郷の家を訪ねた公家のつぶやき: 梅の花の薫りは昔と同じだが、今この家に住んでいる人たちはわたしを歓迎してくれるだろうか? ![]() ・とらのつぶやき: 平成時代だって同じこと。 036 夏の夜は まだ宵ながら 明けぬるを 雲のいづこに 月宿るらむ ![]() ・清原深養父曰く: 夏の夜は短く、まだ宵のうちと思っているうちに、もう明けてしまったね。西の山に隠れるひまもなかった月は、どこか雲の中に宿っているのだろうか。 ・屋形船の船頭曰く: 明け行く空を見ているのは、俺たち船頭ぐらいだね。客は遊びほうけてるし、「うろうろ船」の物売りは忙しすぎるし・・・。 ![]() 白露に 風の吹きしく 秋の野は つらぬきとめぬ 玉ぞ散りける ![]() ・蓮の葉を採っている少年曰く: 風の強いこの沼では、蓮の葉を採るだけでも大変なんだ。葉っぱのの上の露なんかにかまってられないよ。 ![]() 忘らるる 身をば思はず 誓ひてし 人の命の 惜しくもあるかな ![]() ・注連縄を取り換えている神官曰く: 注連縄は俗界と神界と分ける結界で、もともと雷雲を表しています。俗悪な人間は注連縄をくぐって神域に入ることは許されません。 ![]() ・神官答えて曰く: もちろんです。 ・後の男たちの密談: 注連縄を架け替えている間に通ってしまえば罰が当たらないんだろ。 ![]() ・とらのつぶやき: 現代も神前結婚の誓いだって簡単に破ってしまうけど、平安時代の男だってそうだったのじゃないの。 ・039 浅茅生の 小野の篠原 しのぶれど あまりてなどか 人の恋しき ![]() ・参議等曰く: 人に隠れて忍んでいても、想いがあふれてくる。どうしてあの人がこんなに恋しいのだろう。 ・北斎のつぶやき: 《落ち込んだ失恋男のいる美しい風景》というタイトルの絵になってしまった。 ![]() 忍ぶれど 色に出でにけり わが恋は 物や思ふと 人の問ふまで ![]() ・人相を見てもらっている男性のつぶやき: 天眼鏡に何か出てますか、先生。 ・覗き込んでる男曰く: 先生、若い女が映ってるでしょう。 ・人相見のつぶやき: そうですねぇ。映っているといえば映ってるし・・・・。お代をはずんでいただければ、もう少しチャンとしたことをいえるのですが・・・。 ![]() 美術散歩 管理人 とら リンク [001-010], [011-020], [021-030], [031-040], [041-050], [051-060], [061-070], [071-080], [081-090], [091-100] < 前のページ次のページ >
| |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||