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この凸版のVR作品シリーズは「故宮」以外全作品を見てきた。今回は《洛中洛外図屏風 舟木本》。細かく描かれた作品なのでVRにぴったり。
テーマが6つあり、その中の2つだけを上演するとのことで、会場入口にその選択用のタッチパネル↓があった。わたしは④京の豊臣家と⑥京の商いを選んだが、観客の多数決ということだからどうなるか分からない。 ![]() タッチパネルの投票結果は、①9票、②12票、③18票、④6票、⑤8票、⑥9票ということで、③京の名所今昔と②京の信仰が選ばれた。③は良いとして、抹香くさい②にはがっかりだったが、仕方がない。 まずは「京の名所」から。最初は《清水寺》。舞台の下に、音羽の滝の水を受ける女性たち。お茶をたてるのにも使ったとのこと。その側には水を浴びる僧侶。↓その格好が面白い。拡大して見せてもらえるので良く分かる。![]() 次には鴨川周辺の見世物小屋に移る。川の右手には「人形浄瑠璃」↓。演目は《山中常盤あやつり》。この舟木本の作者が《山中常盤物語絵巻》を描いた岩佐又兵衛との説もあるので面白い。 ![]() 別なテーマの「京の信仰」は退屈だった。まずは《東寺》。多くの男女の弘法大師信仰を集めた寺。次は《西本願寺》。親鸞聖人の御影堂。貴族やかしこまった服装の人が描かれている。《東本願寺》は家康が建てた寺。こちらにも男女の姿が見える。最後は聖徳太子創建の《六角堂》。周囲にはいろいろな人。武士、子供、美しい着物姿の女性も見られる。 最後にオマケとして、「祇園祭」の様子が紹介された。こちらは山鉾ではなく《御輿の行列》↓である。御輿を担ぐ男の中に”いかにもこの日を待っていた”といった顔つきの男が混じっている。この《チャーミングな顔つきの男》↓↓はこの屏風の名物男であるとのこと。行列は寺町通を下っていくが、母衣(ぼい)を担いだ武者や洋犬を連れた外国人の姿も描かれていた。 ![]() ![]() テーマ選択制には批判もあるらしく、3月からはテーマ別にする予定だとのこと。3月にテーマを選んでもう一度見に行くことになるかもしれない。 ![]() 本館2階の階段を上がったところに、大きな「タッチパネル・ディスプレイ」があり、この洛中洛外図屏風 (舟木本)の高精度画像が見られるようになっていた。拡大や画面移動も自由できるのでとても楽しめる。一台ではなくもっと沢山置いてくれれば大勢の人がエンジョイできるのだが・・・ 最後に平常展の屏風室で実物の《洛中洛外図屏風 (舟木本)》を観た。さすがに大勢の人が前に立っていたが、絵とガラスの距離が遠すぎるので、双眼鏡を使ってもそれほど大きく見えず、またライティングのせいか、色彩もVRやタッチパネルほど鮮やかでなくくすんで見えた。以前に紹介した東京美術発行の《洛中洛外図屏風 (舟木本)リーフレット》→が実物鑑賞のオリエンテーションに役立った。このリーフレットの説明はVRと同一のテーマに分かれており、便利である。リーフレットは実物の4分の1の大きさだというが、ガラス越しの実物鑑賞よりよく見える。細かく観ていくと、自分が京の町に入り込んで、その街並みを歩いているような気がしてきた。とらの洛中散歩である。 美術散歩 管理人 とら (参考:今まで見たVR作品の記事) ① 聖徳太子絵伝 2007-11-02 ② マヤ文明コパン遺跡 2008-04-20 ③ 東大寺法華堂・不空羂索観音立像 宝冠 2008-06-15 ④ 江戸城─本丸御殿と天守 2008-08-01 ⑤ 飛鳥の天人 法隆寺献納宝物 国宝 金銅灌灌頂幡 2008-12-05 ⑥ 世界遺産クレムリン ロシア皇帝の祈りの空間 2009-05-03
副題は「バーチャルリアリティで巡る、ウスペンスキー大聖堂」。2007年に東京都江戸博物館で開かれた「世界遺産クレムリンの奇跡 ロシア皇帝の至宝」展でこのVR作品は公開されているようだが、そのことにはチラシでも会場でも触れられなかった。別に隠すことでもないと思うのだが・・・。
![]() 1.概要: ロシアでもっとも大きく、古く、かつ重要な聖堂。皇帝の戴冠式もここで行われていた。この大聖堂は、15世紀、イワン3世の時代に改築されたもので、高さは38メートルに達している。ロシア正教の総本山で、「ウスペンスキー」とは「聖母の恵み」ということである。英語では、Assumption Cathedralとなっていた。場所は、クレムリンの壁のまっただ中。 ![]() ![]() ![]() 中央に大きなシャンデリアがあるが、これはナポレオンが持っていった銀を取り戻して作ったものとのこと。ただしVRでは、見やすいように、すべてのシャンデリアを消してしまってある。イコノタスは、預言者、キリストの生涯、キリスト・マリア・12使徒の3列の構造↓になっている。 ![]() この聖堂には、椅子はなく、立ったまま、香をたきしめた中で瞑想にふけるという東方教会方式である。最後に、VRによって戴冠式の模様が再現されたが、これはオマケ。 美術散歩 管理人 とら
TNM & TOPPAN MUSEUM THEATER オープン1周年記念の最新作。東博の法隆寺宝物館の階段の上にレプリカがぶら下がっている金工品。今まであまり気に留めていなかったものであるが、今回これがVRとして甦ってきたのである。
今回のナビゲーターは山田さん。以前にもお目にかかったが、立て板に水の明快な説明である。 まず、金銅灌頂幡(こんどう かんじょうばん)の説明。これは、その地に仏教が根付いたことを示すシンボルとのこと。 ![]() 全長5メートル、重さ40Kgの大きな金銅の幡。上部の天蓋の周囲にはたくさんの垂飾がぶら下がっているので、中が見にくいが↓、VRであるから、これを除いて直接に内部の構造を見ることができる。 ![]() ![]() ![]() 当初は、幡の下端に長さ6メートルの布製の幡足が付いていたようで、東博には当時のものと思われる繍佛裂が残っているとのことである。 今回は、このような金銅灌頂幡がVRで再現された(↓左は実物、右は再現画像)。 ![]() ![]() 先月まで、幡足の本物も展示されていたというが、明年また出るようなのでそれまで待つことにする。 美術散歩 管理人 とら
TNM & TOPPAN MUSEUM THEATERで上演されるVR作品の第4弾である。本日が東博での初日。以前に東京江戸博物館で上映された作品であるが、今回は説明つきであり、さらに障壁画の解説も加わっている。今日の案内役はAZUMI(阿泉)さん。お馴染みの美人で、発声も素晴らしい。
![]() まず、現在の空中撮影写真が上映され、われわれは空から皇居を眺めることになる。そして、この俯瞰図の中に、突然、将軍の住まいや幕府の政務の場であった「本丸御殿」が現れる。これは、江戸時代末期、弘化2年(1845)の再建の姿である。上からみると、表-中奥-大奥となっている。この時には天守閣はなく、天守台のみであった。 ![]() 大広間の下段から、右の襖を開けると、二の間、三の間、そして左奥に四の間となる。中段に続き、将軍の坐る上段となる。上段は、書院造の座敷飾で整えられており、左に硯や筆などの文房具が置かれた書院、正面に床と違い棚・天袋となっており、右手前の「帳台構(ちょうだいかまえ)」という将軍の出入り口へと連なっている。また、大広間の天井は2重の折上(おりあげ)格天井となっている。 ![]() ![]() ![]() 大広間の障壁画は、狩野晴川院養信筆が天保10年(1839)に描いたもので、東博本館8号室でその実物を見ることができた。この草稿↓には胡粉で消した跡が残っている。伺下絵↓↓の黄色の部分は金箔が貼られることになる。これは7月15日~8月24日の間の展示である。 ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() 美術散歩 管理人 とら
「聖徳太子絵伝(①、②)」、「マヤ文明コパン遺跡」に次ぐ第3弾。今まで全部観てきた。最近はミュージアムシアターの予定が東博のトップページに出てこないので、新しいものに変わっていることに気付かなかった。探してみると「イベント」ページに出ていたが、これでは分かりにくい。もう少しカスタマーフレンドリーなサイト作成を検討してもらいたい。
さて、今回は大仏殿でおなじみの東大寺。そのなかに法華堂があり、その中に16体の仏像がある。大多数は8世紀のもので、天平仏の宝庫とされている。 ![]() これをバーチャルリアリティ技術によって、あたかも目前にあるように見ることができるようにしてある。 ![]() 今回のナビゲーターは山田さんという美人。とても分かりやすい解説だった。宝冠の中央には23cmの化仏がある。金色が残っている。珍しい銀の仏像である。これはメッキのはげたままで展覧されたが、金が残っているのだから、すべて金色にした画像も見せるきではなかったのか。現在の学問で証明できる画像しか見せないという中途半端な画像再生は、ヴァーチャルリアリティとはいえず、カスタマーフレンドリーでもない。関係者は、観客あっての博物館であるという原点を再確認すべきである。 とにかく分かったことは、2万個以上の宝玉があるということ、それらは、翡翠、トルコ石、真珠などであるということ、金属の骨格部分に鏨で彫った細かな模様が見えるということ。明治時代の修復の記録が彫られた6角形の金属板があるということなどである。 折角のVR技術が十分に生かしきれず、いささか不満足な作品に終わっていた。 美術散歩 管理人 とら
東博にある凸版のミュージム・シアター。ヴァーチャル・リアリティー(VR)映像を見ることができる。前回の「聖徳太子絵伝」は2度見にいった(①、②)。今回は、マヤの遺跡である。2001年に、マヤのチチェンイツァ遺跡とツルム遺跡を実際に見て、とても驚いたことを覚えている。その時に買ってきた本「The Mayas - 3000 Years of Civilization」↓を開いてみると、沢山の遺跡の写真が載っている。また最近の進歩は、考古学者中村誠一氏のブログが参考になる。
![]() ![]() ![]() 現在のコパン遺跡の鳥瞰図と当時の状況の再現は↓。 ![]() ![]() 次ぎの映像は、「球戯場」↓。これは後に誘拐されて殺された13代のウサギ王が8世紀に造ったもの。チチェンイツァにも球戯場があった。そこでは負けたものが殺されることになっていたが、コパンでは王のチームがいつも勝つことになっていたという。ゴム製のボールによるサッカーのようなゲームとのこと。球技をおこなうコートの両側が斜面になって建物に連なっており、その一方の上部にはコンゴーインコの頭部の石像がある。トウモロコシの頭を持ったこの鳥は太陽の象徴であり、ゲーム自体が豊穣儀礼であったことを示している。 ![]() コパン王朝最後の王「ヤシュ・パッサフ・チャン・ヨアート(最初の夜明けの空)」が建てた「16号神殿」↓。この神殿の前に置かれた祭壇↓↓の4つの側面には歴代の王の肖像が4人ずつ刻まれており、上面には36文字の碑文もある。正面の4人の王のうち、右から2人目が初代の王、「キニチ・ヤシュ・クック・モ(偉大な太陽・コンゴーインコ )」。これが隣りの16代の王に王権の杖を渡しているところが見られる↓↓。 ![]() ![]() ![]() 次回は「仏像」、続いて「お城」、その次は「聖徳太子絵伝」の新バージョン。その他に新しいものも制作中とのことである。 美術散歩 管理人 とら HP
時には映画の話題を。1月12日から全国ロードショーが始まるBBCの「アース」の試写会に行ってきた。
![]() 冬眠から覚めた北極クマの母子、高い木の巣からジャンプする子供オシドリ、カリブーの子供を追う狼、チーターの狩り、象とライオンの戦い、ヒマラヤを越える渡り鳥、ホホジロ鮫の捕食ジャンプ、ザトウ鯨の親子の旅、北極クマのセイウチ狩りなど、過酷で美しい映像が印象に残る。 音楽はベルリンフィル、ナレーションは渡辺謙。 観客には子供も多かった。地球の温暖化とからめた説明があったが、無理に説明しなくても自然に地球の大切さが伝わってくる。 40人のカメラマンが4500日をかけて撮影した映像は一見の価値がある。 美術散歩 管理人 とら
たばこと塩の博物館で開かれている特別展「幕末ニッポンーハリスと黄昏の大君の都」の関連イベントとして、有名な「幕末太陽傳」が上映された。参加料は無料。
![]() この作品の舞台となる品川宿の相模屋(土蔵相模)は実在する旅籠で、設定された1861年には、実際に高杉晋作らの長州藩士が逗留しており、御殿山に建設中だった英国公使館の焼き討ちを実行した。 これは明らかに幕末の太陽族たちの物語である。見終わって特別展の会場に行ってみた。「御殿山の公使館焼き討ち事件」については、1861年12月12日、13名の長州藩士によって実行され、炎上するイギリス公使館を芝浦の妓楼「海月楼」から眺めたという。 一階に降りてみると、特別ミニ企画「和ガラスに抱かれてー坂崎幸之助コレクション」が開かれていた。ALFEEのギタリスト坂崎幸之助のコレクター趣味は有名。 ![]() ![]() 美術散歩 管理人 とら
《聖徳太子絵伝》が東博の資料館内に設置された「TNM & TOPPAN ミュージアムシアター」で、超高精細映像を大型スクリーンで上映されている。初日に観にいったので先月その記事を書いた。今日たまたま時間が空いて東博を覗いたところ、入ったところでこの「TNM & TOPPAN ミュージアムシアター」を勧められた。「初日に観てしまった」というと、「ちょっとはカブッテいるが、新しいストーリーが入っている」とのこと。
そこで「表慶館」のロビーに予約を取りに行くと、受付は初日のナビゲータはAZUMIさん。ちょっとお話をすると、今日のナビゲーターKOHNOさんとのこと。 最初にFUKUIさんという男性からアウトラインの説明があり、映像がスタート。KOHNOさんも美人で声も聴きやすい。 今回紹介された場面は下記の通り。 1.一時に大勢の子供の質問に応える子供の頃の太子(これは前回もあった)この新しいストーリーは本日初演とのこと。自分としては今まで知らなかった「蓮の花」と「青龍の太子」の物語である。 このように「TNM & TOPPAN ミュージアムシアター」は確実に進化している。さらにまったく新しいプログラムも準備中とのことである。楽しみである。 終わったあとで係りの方と話していたら、私が「とら」ということがバレてしまった。拙い記事をAZUMIさんはプリントアウトしていただいていたとのこと。恐縮! 美術散歩 管理人 とら HP
朝日TVの50周年記念特別番組「点と線」が2夜連続で放映された。豪華キャストと懐かしい列車の場面、最近安上がりの番組が多い中で、群を抜いた作品である。
松本清張のこの社会派推理小説を読んだのは学生時代であるが、その謎解きの大筋は覚えている。それだけインパクトが強かったのである。 ![]() そして心中事件と見せかけた殺人事件。被害者の一人は官僚。田舎のベテラン刑事とその娘、警視庁捜査2課の若手刑事。といった具合にストーリーが進んでいく。 第二夜の日曜日は、フェルメール・オフ会。もちろん美術優先。六本木から帰宅したころ、ちょうどそのフィナーレ場面が放映されていた。 ![]() しかし、わたしが一番興味を持ったのは、何十年も経って久し振りに会ったベテラン刑事の娘と若手刑事のその間の物語である。テレビでは何の説明もなかったが、その間に自分の過ごしてきた人生が挿入されているような気がしたからである。 オフ会に集まった若者もあと何十年か経って、昔を懐かしむようになるだろう。40名以上集まった盛大なオフ会をはさんだ「点と線」の物語は、数十年後には再々放映されるかもしれない。 (追 記)肝心のミルクメードのことを書くのを忘れたので追加。 1.前回のレポートで、保護柵の遠さを指摘したが、おそらくそのような意見が多かったのだろう。距離は半分になり、レオナルド《受胎告知》風の「一方通行」+「立ち止まらないで下さい」方式に変わっていた。ただし照明は最低で、右側からでは光って見にくい。美術散歩 管理人 とら < 前のページ次のページ >
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