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国立国会図書館の貴重書展に出ている《平家物語 長門本》の流麗な書体に魅了され、しばらく立ち去れなかった。これは電子展示会というしっかりしたサイトに載っているので、帰宅して変体仮名を確認しながら、この「平家物語」の最初のページを読み直してみた。
平家物語巻第一となる。ところが、 ネットで「平家物語」を検索して確認してみると、最後のところは、「遠く異朝を とぶらへば、秦の趙高、漢の王莽」となっていて、「夏の●●」という人間は入っていない。この「夏の●●」とは誰なのであろうか。 日本文学電子図書館のサイトにたどり着いて、「平家物語」には、高野本、流布本、城肩本(八坂系)、龍谷大学本、延慶本、長門本、百二十句本・国会本、百二十句本・京都本の8種の全文を見ると、この中では《長門本》だけが、「遠く異朝をとふらへば、夏の寒〓、秦の趙高、漢の王莽、梁の周伊、唐の禄山・・・」となっていることを確認した。 ここで最初の●が、「塞」ではなく「寒」であるということが分かった。そこで、今度は「夏王朝 寒」で検索してみると、「寒浞」という悪者が出てきた。それによると、宮城谷昌光の小説「地中の火」にも登場するようで、名は浞。伯明氏の出身。かんそく。祖国を追放され、弓の名手・羿に従い反乱をおこし、夏王朝を滅す。その後、主君である羿(げい)を殺し、一時政権を奪ったが、夏王・少康に反撃されて滅ぶということである。 また、こちらの記事では文献まで記載してある。『史記』夏本紀によれば、羿は三皇五帝の後、夏王朝初期の時代の有窮の后(首長)であった。彼は、政治に関心の薄かった夏の帝太康を放逐し、夏の領土を一時支配した。しかし、夏王朝を倒した羿は、民政を省みず狩猟に熱中し、武羅・伯因・熊髠・尨圉の四賢人を退け、寒浞(浞は「サク」、「ソク」とも読む)という奸臣を側近にして重用した。 『春秋左氏伝』文公十八年の項によれば、「寒浞は宮内(の婦人たち)には媚を売り、群臣には贈与を振りまき、民をたぶらかし、羿を狩猟に熱中させた。これだけの詐欺悪徳で国を乗っ取ろうというのに、宮内・群臣、誰も異議をとなえず、狩猟から帰る途中で、羿は部下に殺され、烹られてしまった」となっているとのこと。その後、夏王朝は大臣の靡が擁立した太康の子・少康によって復興されることになる。 そうすると、「夏の●●」の後の●は「綱」ではなく、「浞」と読むことになる。書体からはイマイチという気もするが、いかがであろうか。 さらに悪臣に殺された「羿」は、不老不死の薬を独り占めにして月に逃げて、ヒキガエルとなってしまった「嫦娥」の夫であるという神話も出てきた。こちらのほうは、月岡芳年の「月百姿」↓でおなじみである。 美術散歩 管理人 とら
by cardiacsurgery
| 2008-10-24 13:20
| 国内アート
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