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2008年は源氏物語が歴史上に登場してちょうど1000年の節目にあたるということで開かれた展覧会。 作者の紫式部が当時の文化を背景にして源氏物語を執筆して以来、現在も愛読者が増え続けている。
漢学者の藤原為時を父に持つ紫式部は、「源氏物語」で発揮した和歌や漢詩文の学識を左大臣・藤原道長に認められ、道長の長女で一条天皇の中宮である彰子の女房として仕えた。彰子の皇子出産の慶事を中心に綴った「紫式部日記」は、この際の宮廷での見聞をもとに執筆されたといわれている。 会場に入るとすぐに、狩野孝信の《紫式部図》や谷文一の《石山寺縁起》が出ている。国宝《紫式部日記絵巻》↓にはとても良い色彩が残っており、詞書も読めそうである。この絵は1週間だけの出品なので、まだご覧になっていない方はお急ぎあれ。 国宝《御堂関白記》は再会。道長が大和国の金峯山に参詣して埋納した金銅製の経筒、国宝《金銅藤原道長経筒》にはしっかりと履歴が彫られており、下部が損傷した《藤原道長願経(金峯山埋経)》を見ることができた。 三蹟の藤原行成筆と伝わる国宝《倭漢抄》にも再会。伝・藤原定家の《紫式部集》は見事な仮名の和歌。《久海切 古今和歌集》は紫式部筆との伝承がある重要作品。双眼鏡で目を凝らしてみた。これは2週間だけの展示である。 《賀茂御祖神社古神宝》は下賀茂神社のお宝。当時の装束・冠・理髪道具などは一見の価値がある。 源氏物語の伝承については、三つの古写本の系統から、代表的な伝本を紹介されていた。青表紙本系の《大島本》、河内本系の《河内本》、別本系の《陽明文庫本》である。いずれも重文で、学術的価値は高いのだろうが、残念ながら「猫に小判」。 第二章 源氏絵の系譜 (中世から近世初期の源氏絵) 「源氏物語」を描いた「源氏絵」は、物語の成立からまもなく制作されるようになった。 土佐千代の《源氏物語図屏風》、《源氏物語図 白描色紙貼交屏風》、土佐光起などの《源氏物語絵色紙帖》、伝・俵屋宗達の《源氏物語図屏風》、狩野氏信の《源氏物語図屏風》、伝・土佐光成の《源氏物語図屏風》↓、住吉広定の《源氏物語図》を音声ガイドと双眼鏡の援けをかりて楽しんだ。明るく美しい絵が多かった。 福井県立美術館蔵の岩佐又兵衛筆《和漢故事人物図巻〈浮舟〉↓・(須磨)》が一週間の限定展示。淡い色遣いでとても上品である。浮舟では、薫の囲い人浮舟が、匂宮に連れ出されて、宇治川の対岸の隠れ家に向かうところ。そのときの和歌に出てくる橘の枝も描かれている。須磨では、海辺でお祓を執り行った矢先に、嵐が襲ったところ。曲がる塀・逆巻く浪が見事に表現されている。 九曜文庫所蔵の「江戸時代を中心とする源氏物語関連資料」の量と質には驚嘆した。このような資料と取り組む学者は大変である。 その隅に井原西鶴の《好色一代男》の版本が開いてあった。屋根の上から遠眼鏡で行水中の女を覗く若侍。手で視線をさえぎろうとする女。1ヶ月の展示である。本書は、「源氏物語」の枠組みに倣ったといわれ、章立ても、源氏54帖にあわせて全8巻54章となっている。 近世初期に土佐派、狩野派を中心に多様な展開を示した源氏絵は、以降、江戸時代を通じて、より幅広い階層の人々に享受されるようになった。 浮世絵としては、西村重長の漆絵《第三十四番 若菜上》、鈴木春信の見立絵《八景 石山秋月》、歌川国貞の役者絵《源氏模様娘雛形》、川又常正の肉筆画《紫式部石山寺観月図》。 明治以降のものでは、発禁になった月岡芳年の《田舎源氏》、小林清親の《古代模様紫式部》が良かった。 通常の源氏絵としては、守住貫魚の《紫式部観月図》、源養福の《源氏物語絵 若菜》、土佐光起↓、土佐光成、狩野岑信の《紫式部図》、守住貫魚、狩野永納の《紫式部観月図》を楽しんだ。国井応文の《雪月花図》、森寛斉の《紫式部図》もお気に入り。いくつかのものは「石山寺と紫式部展」以来の再見。 三代将軍家光の娘千代姫の「初音の調度」は再見。 第三章 生き続ける「源氏物語」 (源氏物語の広がり) 尾形一耕の《源氏物語夕顔図》、梶田半古の《源氏物語屏風》、松岡映丘の《住吉詣》、下村観山の《女三之宮》↓、安田靭彦の《紅葉賀》↓↓、さらに新井勝利の《源氏物語 薄雲》や佐多芳郎の《浮舟》、石踊達哉の装画《源氏物語絵詞》などの現代作品もエンジョイした。 (源氏絵を未来へ伝える) 最後のコーナーでは、《源氏物語絵巻》の復元模写プロジェクトが紹介されていた。これは以前に五島美術館で見たことがあるが、ひどく派手な色彩となってしまい、ちょっと興ざめでもある。 美術散歩 管理人 とら
by cardiacsurgery
| 2008-09-01 19:32
| 国内アート
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