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久し振りのロートレック。前回は2001年東武美術館で開かれた没後100年展。図録を出してみると、その前にはサントリーミュージアム天保山で開かれている。
今回もサントリーミュージアム天保山→愛知県美術館に続いての開催である。以前と違いブログで情報が伝わってくるので、パスしようかなとも思っていたが、ちょうど展覧会の切れ目だったので行ってきた。 展覧会サイトにはリストのpdfファイルがあったが、どうせ会場でもらえると思ってプリントアウトしないで行ったところ、会場では「用意していません」とのつれない返事。またまた図録販売促進の六本木商法。意地でも図録は買わないこととする。 しかしロートレックはわたしのお気に入り画家。何度も観ている作品が多かったが、今回は展示の方法が良かったのでメモをとりながら3時間かけてジックリと観ることになった。 Ⅰ.プロローグ: 都市生活の画家の誕生 いきなりポスターの《黒いボアの女》↓が出てくる。厚紙に油彩であるが、背景にはほとんど手を入れず人物、ことに顔を詳細に描いている。これがフランスの国家コレクションに初めて購入した作品とのこと。 ロートレックが晩年アルコール中毒や梅毒に犯され入院したことにからんで、新聞で中傷され、1905年リュクサンブール美術館は今回オルセーから出品されている《赤毛の女(みずくろい)》の遺贈を拒絶した。そのような風潮の中でロートレックの重要な作品が外国に流出していったしまったので「現在はアメリカに行かなければ彼の代表作は観られない」。 したがって今回の展覧会のポスターがオルセーから来た地味な作品になっているのも無理からぬことである。 ![]() ![]() Ⅱ.ロートレックと大衆文化 (ダンスホール) 有名な《ディヴァン・ジャポネ》↓や大きな《ムーラン・ルージュ、ラ・グーリュ》↓↓などポスターの出番である。ラ・グーリュの脚が高く上がっている写真も出ていた。 ![]() ![]() ![]() ![]() 《大開脚》↓が傑作である。イナバウアー体勢で反り返えるダンサーのスカートの中を覗き込むエロオヤジ。 ![]() ![]() イヴェット・ギルベールの話が面白かった。彼女の写真、メダイヨン、彫像を見ても鼻が高く、ツンとすました朗唱家であるが、ロートレックに1894年に頼んだポスターの下絵では鼻が上にひん曲がっている。あまりひどかったので、ギルベールは断ってスランタンに描いてもらったとのことであるが、二つの作品がが並んで展示されている。確かにロートレックのはちょっとひどすぎる。そのまた隣に3年前の若いときのギルベールのポスター(シュレ作)があったが、これは美人!ダンダンふけていく自分の顔だったので、本人が気にしたのだろう。1894年にはロートレックが描いたギルベールの《アルバム》が展示されていたが、下絵のように彼女の鼻をそっくりかえっている。こちらが下絵より後に出版されたものならば、明らかに仕返しである。次はいよいよ「アリステッド・ブリュアン」。《アンバサドール》やこれを左右逆にした《エルドラド》が威張っていた。 「時代の風潮」という映画があった。ブリュアンが初めに登場し、彼の歌声をバックに、当時のパリの街やカフェの映像が流れる。 ![]() (サーカス) 白人の道化師フォッティと黒人の苛められ役ショコラの画。二人の映画もあった。 【以上が4階の展示。次いで3階に降りる】 Ⅲ.パリジャンの日常生活: 自転車、自動車、馬車など。 Ⅳ 出版文化とロートレック 《首吊り》、《処刑台のもとで》、《ドイツのバビロン》は強烈だった。赤い服の女性を撮ろうとしている《写真家セスコー》はお気に入り。 《サロン・デ・サン 54号室の女性船客》↓の色刷リトグラフには面白い話がついている。ロートレックはル・アーヴルからボルドーに向かう船の上で、この女性に魅せられボルドーで降りずにリスボンまで行ってしまった。船の甲板のパラソルの下で読書に疲れた女性が海を見つめている。 ![]() 《赤毛の女(みずくろい)》は↓、いろいろな青を使って赤毛を目立たせている。 ![]() ![]() ![]() ![]() Ⅵ.劇場と演劇 《アンリ・サマリー》、《フュードルのサラ・ベルナール》、《アールカド氏》、《ベルト・バディ》、《失神》などが印象的だった。 Ⅶ.晩年の日々 《騎手》のように、馬が出てきた。幼いときに父親が騎乗しているところを描いているがそれに帰趨してきているようだ。 ![]() 美術散歩 管理人 とら HP ※このブログはトラックバック承認制を適用しています。ブログの持ち主が承認するまでトラックバックは表示されません。
タイトル : ロートレック展 ・サントリー美術館
久しぶりに海外の絵画展、それもロートレックを見てきた。 富豪の御曹司が非業な死をとげるまでの短い芸術家期間を、 日本初公開の絵画や、写真などによって、追体験できる企画だった。...more
タイトル : ロートレック展を見る
サントリーミュージアムで『ロートレック』展が開催されている。大阪の次は名古屋それから東京へ巡回する。 サントリーミュージアムにしては珍しく、今回展示目録を作っていないという。 そうか、それなら仕噴.....more
タイトル : ロートレック展 (サントリー美術館)
土曜日の夜のとても静かな鑑賞でした。ロートレックの作品だけではなく、当時の空気を伝えるポスター、文芸紙の表紙や挿絵、ロートレックに影響を与えた浮世絵なども展示されています。ひとつひとつの作品をじっくり楽しむというよりは、その時代の雰囲気に触れる...そんな展示でした。繁華街の賑わいまでは感じることができずとも、遠くにかすかなざわめきは聞こえてくる...そんな気がしました。ポスターや版画が多く、展示作品そのものは地味な印象ですが、厚紙に描かれた何枚かの油絵は強い印象を残してくれました......more
タイトル : 六本木ムーラン・ルージュ「ロートレック展」を観た!
サントリー美術館「ロートレック展」 うちの子ども二人のマグカップは、モンマルトルの丘のおみやげ屋で購入したものです。いまでも時々家に来ると、彼らはそのマグカップを使っています。言うまでもなくロートレックの「アンバサドゥール」と「ディヴァン・...more
タイトル : ロートレック展(サントリー美術館)
雪に怯えつつも行ってきました、サントリー美術館。ロートレックは昔にBUNKAMUAミュージアムでやったのを見に行きました。学生の頃だからもう15年以上前だったかと思います。だから、ロートレック展というくくりで見るのはあの時以来。さてどうなるかと思っておりましたが、やっぱりいいなあと思いました。{/star/}黒いボアの女今回のメインビジュアルで使われていた作品。威風堂々としてて迫力ある存在です。ワイルドなタッチの筆使いがたまりません。{/star/}アンバサ......more
タイトル : ロートレック展 パリ、美しき時代を生きて
ロートレック展 パリ、美しき時代を生きてサントリー美術館2008年1月26日から3月9日初日に夕方に訪れた。アンリ・ド・トゥールーズ・ロートレックToulouse Lautrec(1864-1901)が最も輝いていた晩年の10年間の作品を中心にした展覧会。まずは、主題別に作品が並ぶ。ムーラン・ルージュの踊り子ラ・グーリュのポスター1891。本人の写真もある。ムラーン・ルージュの舞踏会ってダンス・ホールだったとは。ジャヌ・アブリルのポスターと写真。アクロバティックな女道化師シャ・ユ・カ......more
タイトル : ロートレック展 パリ、美しき時代を生きて
なんかやたらとマスメディアで広報されてたような気がする、この展覧会…なもんだから、とっても混んでいた!ひー。やっぱり展覧会は早め早めに行くのが大事ですね。 「ロートレック展 パリ、美しき時代を生きて」(1月26日から3月9日まで) そしてとらさんのブログ(htt.....more
タイトル : ロートレック パリ 美しき時代を生きて@サントリー美術館
世紀末のパリが、ロートレック作品を軸にして、写真から映像や歌声、様々なメディア媒体も登場して、作品を重層的に比較鑑賞モンマルトルの猥雑な喧騒を紹介されていて、110年前のパリを旅するような企画。 今日は内覧日で学芸員にガイド頂き 鑑賞する機会となった...more こんばんは。リストがないのは残念でした。あのスペースで、じっくりロートレックを感じることができる仕組みは上手かったな、と思いました。 あべまつさん 確かにリストが手元になかったので、一つひとつの作品よりも、全体としてロートレックを感じることができました。 リストを会場で渡さなかったのは、そういった高次の配慮によるものなのでしょうか??? ロートレックの多彩な作品がアップされていて楽しめました。天保山でもやっていたのですね。見に行けばよかったと後悔しています。 こんばんは 大阪でもリストなしでしたが、しかしとらさんの詳細な記事にはサントリーの方がシッポまきますね。 わたしも「彼女たち」がいちばんよかったです。 そちらでもかばんとかグッズ人気でしたか。 とらさん こんばんは この展覧会はとても都会的だな...と思いました。 六本木のきれいな美術館で観るのがぴったりの展覧会... とても楽しめました。 yuyu-museumさん、おはようございます。 天保山には昨年、ダリ展を観にいきました。 地下鉄の駅からはちょっと歩きましたが、立派な建物でした。 ここにロートレックのポスターが沢山所蔵されているのですね。 遊行さん、おはようございます。 東京はめずらしく雪です。 新日曜美術館の「ロートレック」が15分後に始まるので楽しみにしています。 六本木サントリーのショップはちょっと狭いですね。混んでいたので、良くみませんでした。かばんなどが人気だったのですか。 lysanderさん サントリーでは六本木の雰囲気とミスマッチの古美術展が多いのですが、今回は「都会的」でした。 大阪のサントリー天保山のおかげではないでしょうか。 展示作品はそこそこですが、分かりやすくて良い企画だと思いました。 特に映画・動画が良かったですね。 ロイ・ファーラーの天女の舞、ブリュアンの甘い美声にしびれました。 こんばんは。 リストなくて私も閉口しました。 係りの方にもとめたら展示替えリストを下さいました。。。 サイトから印刷し再度チャレンジしてきます。 とらさん、こんにちは。 リストがないっていうのは耳寄り情報、行く前に準備していきます。 ありがとうございます! 今日の新日曜美術館&とらさんの深みのある記事でしっかり予習して たっぷり楽しんでこようと思います♪ はなさん、こんばんは。 今朝のゴーズィの「わが友ローレック」の紹介はとても良い番組でしたね。 最初の部屋の《初めての聖体拝領》の父親のモデルはこのゴーズィだそうですから、よく見てきてください。 内覧会に行こうと思っていましたので、とても参考になります。 彼がその人物の内面まで見透かして描き出すのも素晴らしい。 イヴェット・ギルベール 省略された線で描く腕前。 しかしメモのみでこの内容深きblogの内容 とらさんも本当に見事な腕前です。 展示方法がどう素晴らしいのか そちらもとくと味わいましょう。 pandaさん ロートレックは自分に正直に生きていますね。 当時、その正直さは一部の階級には受け入れられたのでしょう。 そして今、その正直さが時代を超えて広く受容されています。 もりだくさんな内容でよかったです。 浮世絵との比較の近くにあったロートレックの着物コスプレは笑いました。まさか、そこまで日本に関心があったとは思いもよりませんでしたよ。 あおひーさん こんばんは。ロートレックはいいですね。 浮世絵好きも正直ですね。 私はロートレックは、色彩が乏しいような気がしてあまり惹かれません。 だから、ルノワール展が楽しみです。 ムーランルージュに象のハリボテがあったなんてびっくりでした。 一村雨さん 好みはそれぞれですね。 ルノワール展も良かったですよ。 とらさん、こんにちは。 こちらで得た情報をどわすれしてしまって、作品リストをプリントアウトしていきませんでした><なんという。。。 ロートレックの作品も「海外流出」してるんですね。 時々「海外流出」てことについて考えるのですが、 美術品にとってはその時評価してくれる人・場所の元にあるのが幸せなことなのかもしれないな~、いいものは所蔵元がどこであろうといずれ世界を回るだろうし、なんていう風に考えたりすることがあります。 はなさん、こんいちは。 「海外流出」先が良心的なコレクターの場合は問題がないようですね。 大昭和製紙の社長だった斉藤 了英は、ゴッホの「ガシェ博士の肖像」・ルノワールの「ムーラン・ド・ラ・ギャレット」・ゴッホの「アイリス」を購入していましたが、これらの画について「死んだら一緒に燃やしてくれ」と発言していました。こういうコレクターのもとに「流入」すると大変ですね。 pandaさん
TBありがとうございました。「解説付き内覧会」は良かったですね。
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