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数ヶ月前のことだが、NHKでこのミュージアムが紹介されていた。正確な番組名は忘れたが、「今もっともエキサイティングな三つの美術館」といったような意味の題名だった。
その一つは、昔からある朝倉彫塑館、二つ目は今年出来たばかりの横須賀美術館。そして最後に出てきたのがこの「感覚ミュージアム」。番組を見ていると、とても不思議なミュージアムで、雲をつかむような内容。とにかく「百聞は一見に如かず」ということで、訪れるチャンスを窺っていた。 東京から東北新幹線に乗って古川で降り、陸羽東線に乗り換えて岩出山で降りれば良いとはいうものの、時間的・経済的にその価値が有るかどうか分からない。ネットで調べるとしっかりとしたウェブサイトが出来ている。 サイトのアーティスト・ページの概略は以下のようである。 六角鬼大(東京藝大美術学部長、建築)・・・・設計・コンセプトデザインこれによってこのミュージアムの構成が少し分かってきた。こういった予備知識だけでこのミュージアムを訪れた。たまたま仕事で仙台に5日間滞在することになったので、1日仙台を抜け出したのである。新幹線を一駅だけ乗るのもおかしいので、東北本線を使って、小牛田で陸羽東線に乗り換えた。そしてこの日は、有備館を見てからこのミュージアムまで歩いた。奇妙なことに「有備館」駅と「岩手山」駅は非常に近いのである。 さてこのミュージアムは不思議な外見である。真ん中に大きな広場があり、円形の建物がこれを取り囲んでいる。何となくローマ時代の建物のような気がする。色は優しいアースカラー。 ①サークル・ン・サークル: 大きな車輪があり、その車軸のところに昇って仰向けになる。ちょっと怖い感じがするが、家内は平気で実験台のようなところに寝ている。女性は強し。手足を動かすとチョークがドラムの壁の上を動いて、落書きを書いていく。これは「運動覚」?、「平衡覚」?。家内は運動神経が▲なので、落書きもうまくない。ドラムに残っている他の人の落書きを見ると結構に巧いのがある。そういえば原始人の洞窟の画も結構巧かった。 ②創作楽器の展示: いろんな楽器での音遊び。押したり叩いたりすると、天井のほうから音が聞こえてくる。昨年東京国立博物館でマオリ族の楽器をみたが、それと似たものもある。係員にそのことを言うと、同意していただいた。感覚としては、「聴覚」もさることながら、原始的な「音」への先祖がえり?というベクトルも働く。 ③スペースアンドサウンド: 二つの輪があるが、一つは現在は自動運動で、もう一つのほうのレバーを動かすと、スクリーン上の光点が移動し、リサージュのような図形が書かれ、そのポジションによって音が作成されていく。レバーの中心にある紐を引くと、光点が自分のほうに近づいてきて、最後に衝突!。もちろん光点が爆発し、爆発音が聞こえる。ここでの感覚はもちろん「聴覚」だが、「視覚」・「運動覚」もかなり関与している。 ④闇の森: 真っ暗な部屋を手すりにつかまりながら、壁のオブジェに触れていく。「触覚」によって形をイメージすることになっている。たしかに最近のオブジェは「視覚」抜きの「触覚」だけでも十分かもしれない。どうせ見ても何のことか分からないものが多いのだから。もちろんこの部屋にはそういう皮肉な意図はない。すこぶる真面目。観客?は、急性の視覚障害者となり、「不安覚」のとりこになるかもしれない。 ⑤エアートラバース: 急に明るいところに飛び出す。しかも床や壁が鏡張りで、空が映ってくる。この日は晴天だったので、何か眩暈がするような感じだ。宇宙船内のような非日常空間だが、わたしはカットされたダイアモンドの中にいるような気がした。「視覚」だけではない。「浮遊感」、「隔離感」、「閉塞感」などいろいろな感覚に訴えてくる。 ⑥ウォーターガーデン:床に張られた水面の波紋と光が緩やかに動き、静寂な空間を作っている。感覚としては、「視覚」だけではない。人間の緊張を緩和する「静寂」な雰囲気、「反緊張感」とでもいおうか。 ⑦アースガーデン: 床の白砂に陰が当たってくる。その陰影は季節と時刻により変動している。こちらでも「静寂感」・「虚無感」という感じが伝わってくる。禅宗における悟りの境地に一歩近づくことが出来るのかもしれない。階段の上から見下ろすようになっており、最上段にフカフカのクッションに座るともう立ちたくなくなる。 ⑧ハートルーム: ハート型の部屋に入って行き、中央の黒い風呂のようなところに寝転がる。頭は入口と反対方向に向けたほうが良い。いろいろな色と音と香に染まりながら、無の世界に近づいていけるようである。睡眠の世界、シュールな世界に踏み込んでいくような気がするのである。「鎮静感」、「やすらぎ感」、「癒され感」・・・適当な言葉が見つからない。 ⑨香の森: 素晴らしい「白い紙撚りアート」は、天国の雪の世界。ギリシャ神殿のような円柱に穴がくり抜かれており、ここに顔を近づけると良い香りがしてくる。馥郁たる花の香り、木の薫りである。「嗅覚」、「視覚」だけではない。不思議な「幸福感」がこの部屋に満ちている。 ⑩カスケードバース: 外へ出る。水に映る光が壁に漣や虹となって現れる。観客はその回廊を歩いて、非現実の感覚空間から現実空間に戻ってくる。 すべて自分自身の五感で体験しなければ分からない。この記事の内容も自分だけにしか当てはまらない。是非、このミュージアムを訪ねられるようにお勧めする。 美術散歩 管理人 とら HP
by cardiacsurgery
| 2007-10-22 00:16
| 現代アート(国内)
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