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これは山形美術館に寄託されている吉野石膏コレクションの展覧会である。いわゆるコーポレートコレクションで、他の展覧会に出品されたいくつかの作品は既に観ているが、このようにまとまった形で鑑賞するのは初めてである。12日間という短い展示期間なので、フィラデルフィア美術館展を見た後、上野‐神田‐三越前と移動して、この展覧会を見た。
こちらの展覧会にはリストがない。図録を買ってもらおうという百貨店商法なのかもしれないが、これはマズイ!そこで図録が置いてある椅子に腰掛けて簡易リストを作成してみたので、それにしたがって感想を書いていく。 Ⅰ.印象派以前 ■ コロー:2点、似たような銀灰色の作品。 ■ ミレー:2点、いずれも見たことのあるような懐かしい作品。 ■ クールベ:《ジョーの肖像、美しいアイルランド女性》・・・ジョーはホイッスラーの愛人。彼の《白のシンフォニー No1 白衣の少女》のモデルである。クールベが描いたジョーとホイッスラーの描いたジョーはその対極にあるような感じがする。その後ジョーはクールベの愛人となり、プティ・バレにある《眠り》のモデルを務め、さらにオルセーにある《世界の起源》のモデルもジョーらしいとの説明があった。 ■ ブーダン:《アヴィル近くのソンム川》・・・雲間の太陽からの光が川に差し込む画で、晴れた海岸の画を見慣れているので、ちょっと暗い気がする。 Ⅱ.印象派とその後継者たち ■ ピサロ:5点、そのうち《モンフーコーの冬(雪景色)》が良かった。《キューガオデンの大温室前》も面白い。 ■ ドガ:《踊り子たち、ピンクと緑》・・・とても美しい色のスナップショット。 ■ シスレー:3点。 ■ セザンヌ:《サン=タンリ村から見たマルセイユ》・・・セザンヌの青は素晴らしい。 ■ ルノワール:8点。お気に入りは、《庭で犬を膝に抱いている少女》。 ■ ゴッホ:《雪原で薪を集める人々》・・・1884年の作品。画中の4人の人物など暗い画題のものだが、雪の明るさに救われている。地平線に沈んで行く真赤な太陽。これにもゴッホ特有な派手な光線はない。 ■ ボナール:1点 Ⅲ.20世紀の多彩な表現者たち■ アンリ・ルソー:《工場のある町》 ■ マティス:2点、このうち《白と緑のストライプを着た読書する女性》はなかなかよい。 ■ ルオー:3点。この中では、《バラの髪飾りの女》。フィラデルフィア美術館でも似たような画があった。あるいは混線しているかも。 ■ マルケ:2点ともに例のくすんだ所がなく、気持ちが良い明るい画である。題は《ロルボアーズの風景》と《コンフラン・サント・オノリールの船》。 ■ ブラマンク:5点中花が2点、風景が3点。ちょっと苦手な画家だが、《川辺の舟》には文句がつけられない。 ■ ピカソ:2点あったが、両者ともきれいな画である。《マリー・テレーズの肖像》が美しいのは当然として、ドラ・マールを描いた《帽子をかぶった婦人》も良かった。いつもひどく変形された顔として描かれていたドラ・マールの実像を見た。ピカソの心の中で捻じ曲がった虚像は嫌いだ。 ■ ドンゲン:《坐る少年》・・・存在感のある画。 ■ ミロ:1917年作の《シウラナ村》はミロの初期の作品。これは美術史の上では貴重な画であるが特に好きにはなれない。 ■ ブラック:1点。 ■ カンディンスキー2点。《ゆるやかな変奏曲》はなかなか。 Ⅳ.エコール・ド・パリ ■ ユトリロ:2点。 ■ シャガール:14点もあり、今回の白眉である。お気に入り多数。《夢》、《逆さの世界のヴァイオリン弾き》、《バラ色の肘掛け椅子》、《天使と恋人たち》、《サンド・シャペル》などなど。 ■ キスリング:《背中を向けた裸婦》はアングル的でこの会場ではちょっと異質。 ■ ビュッフェ:1点 吉野石膏コレクションは全体に柔らかな作品が多く、一種の統一感があった。いかにも一人の日本人が選んで購入した作品群である。フィラデルフィア美術館展にはいくつかの名品が含まれていたが、吉野石膏コレクションにはこれに負けない作品も少なくなかった。 美術散歩 管理人 とら HP
by cardiacsurgery
| 2007-10-13 14:32
| 印象派
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