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2017/10/9 9.05~ NHK TVで、「北斎“宇宙”を描く」を見た。ナビゲータは木村佳乃さんだった。以下はそのメモである。
写真家・鈴木雄介は、平塚海岸で北斎が捉えた波頭を再現するには、高速カメラで1/500秒のスピードが必要なことを見出した。 眼科学の権威である塚田稔・九州大学名誉教授は、人間が肉眼で捉えることができる速度は1/50~1/20秒であるという。 北斎は「略画早指南」の中で、定規とぶんまわし(コンパス)だけで画を描く方法を紹介しているが、「波」は大小さまざまな円で幾何学的に捉えていた。単純なものをつなぎ合わせて、複雑なものを表現するのである。 幾何学を専門とする秋山仁東京理科大学教授は、北斎の渦巻きには「繰り返し」に関する数学的な技が使われているという。これはフランスの数学者・マンデルプロが導入した「フラクタル」という幾何学の概念で、図形の部分と全体が自己相似になるということである。北斎の絵では、「大波」・「中波」・「小波」・「波頭」・「波端」が同じ形をとって無限に続いている。つまり「一瞬」のうちに「永遠」が閉じ込められているのである。 北斎は何度も改名しているが、「北斎辰政(ほくさいときまさ)」という名前は大切にしていた。「北辰」というのは北極星のことである。 北斎の絵の対象としては、「雪」・「雨」・「霧」などあらゆる形に変化して流転する「水」が多い。北斎得意の「瀧」や「波」もそれに当たる。 80~84歳の北斎は、娘・応為とともに4度小布施を訪れている。高井山宅には今も北斎が居住した部屋があり、近隣には《日新除魔》や《羊図》などの作品が残っている。 小布施が凶作だった年に、北斎に祭屋台の制作が依頼された。北斎としては、初の立体作品である。 北斎は、上町祭屋台のテーマとして「水滸伝」の「皇孫勝」を選び、天井下には応龍を、天井には《男浪図》と《女浪図》を描いた。 「蛍光X線分析装置」で、北斎の「青」を分析すると、ピークはFeの鉄、すなわち「ベロ藍」であるが、細かくみると三種類の青~緑が使われていることが分かった。 画面の一番奥に使われているのはFeの「藍」である。Cuの「緑青」は「藍」の前に使われている。 藍の色面と緑青の色面を並べてみると、緑のほうが飛び出て見える。波長が長い色面ほど手前に見えるのである。北斎は、一番奥に濃い青、次いで淡い青、そして緑を使っていた。 さらに北斎は、胡粉を使い、画面手前に光が当たっている効果を出すようにしていた。具体的には「波頭」は胡粉で縁取りされていたのである。 祭屋台の「縁絵」の部分は「もう一人の北斎」と呼ばれる葛飾応為が描いたものとされている。応為の《夜桜美人図》の「赤」や《吉原格子先図》の「光と影」はつとに有名である。 「縁絵」の《男波図》には獅子や孔雀のような動物が描かれ、《女波図》には花や天使が描かれている。 応為は、8種類の色素を使って32色を作り、50種類以上の動植物を描き、一部に点描も取り入れていた。 この祭屋台は戦後まで実際に使われていたとのことだが、昭和51年に文化財保護のため「北斎館」に収蔵された。 番組の最後に北斎の絶筆《富士越龍図》が登場した。北斎は龍となって昇天したが、雲となり、雨となり、川を通って、海に帰ってくるのだろうか。 美術散歩 管理人 とら
by cardiacsurgery
| 2017-10-10 14:33
| 浮世絵
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