記事ランキング
ブログパーツ
最新のトラックバック
外部リンク
以前の記事
2021年 01月 2020年 11月 2019年 02月 2019年 01月 2018年 12月 2018年 11月 2018年 10月 2018年 09月 2018年 08月 2018年 07月 more... カテゴリ
全体
国外アート 西洋中世美術 ルネサンス バロック 印象派 印象派後期 現代アート(国外) 東洋アート 仏像 国内アート 江戸絵画(浮世絵以外) 浮世絵 近代日本美術 戦争画 現代アート(国内) アート一般 書籍 音楽 映画・写真 講演会 北海道の鈴 東北の鈴 関東の鈴 中部の鈴 関西の鈴 中四国の鈴 九州の鈴 ヨーロッパのベル アジアのベル アメリカのベル オーストラリアのベル 未分類 フォロー中のブログ
検索
その他のジャンル
ファン
ブログジャンル
画像一覧
|
私自身、経営管理論の泰斗であるピーター・F・ドラッカーの著作を読んだこともないし、2009年12月に発刊された岩崎 夏海 (著)の「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」という単行本で、「もしドラ」ブームが起こり、ドラッカーの名前が一躍注目されたことも今回初めて知った次第である。 今回、そのドラッカー・コレクションがまとまって日本に里帰りしているが、これは1986年に「ドラッカー・コレクション水墨画名作展」が、上野松坂屋・大阪市立美術館・根津美術館・名古屋松坂屋の4ヶ所を巡回して以来であるが、その時には私も見ていない。 ということで、家内同道で遠い千葉まで行ってきた。自宅から2時間近くもかかったので、中央三丁目でバスを降りるとランチタイムになってしまった。昼食はいつものように、美術館通りの角にあるそば屋「阿づ満庵支店」で済ませた。私は「舞茸天そば」、家内は「おかめそば」。 従来からこのコレクションの最大の特徴は、室町時代の水墨画であるとされてきた。 しかしながら、永年にわたる収集活動の過程で、この室町時代の水墨画に加えて、桃山時代の海北友松、江戸時代の池大雅・与謝蕪村・浦上玉堂らの文人画、白隠・仙厓らの禅画、若冲・蕭白らの奇想派、さらに琳派、狩野派の作品なども集まってきており、現在では非常に多岐にわたるコレクションとなっている。 すなわち、このコレクションの第1の特徴は、室町時代から江戸時代にかけての水墨画が中心なのである。 第2の特徴は、このコレクションには、余り耳にしたこともない画家の作品が多数含まれていることである。 第3の特徴は、このコレクションの大多数が軸装の作品であって、屏風などは一点も入っていない。 すなわち、このコレクションはドラッカー夫妻が、自宅や別荘において自分たちが見ていたいものだけを自分たちの感性に基づいて収集していたのである。 以下、展覧会の章立てに従って、お気に入り作品を列挙していく。 序章 日本美術との出会い ・式部輝忠《渓流飛鴨図(扇面)》室町時代: 1959年にドラッカーが初来日した時に、京都の山中商会で初めて購入した2作品の一つ。 ・如水宗淵《柳堤山水図》室町時代: ドラッカーが、1962年に2度目の訪日をした際に、古美術商・瀬津雅陶堂から購入した「室町水墨山水画」である。 如水宗淵は、相模国の禅僧で、鎌倉円覚寺から周防国に至り、雪舟に画を学んだ。宗淵に雪舟が与えた餞別の絵が国宝《破墨山水図》東博蔵である。狩野派の画家の本図の摸本も東博にある。 ・尾形光琳《蔦図(団扇)》江戸時代: たらし込みで表現された蔦の葉、対角線に配置された葉を結ぶ蔓の流れ、金泥の葉脈など琳派のデザイン性がいかんなく発揮されている。 この章のお気に入り作品を下記に列挙する。 ・土岐洞文《山水図》室町時代 ・伝相阿弥《牧牛図》室町時代 ・谷文晁《月夜白梅図》江戸時代 ・楊月《蜆子和尚図》室町時代: 南宋時代の牧谿の同一主題の作品を「東山御物」展で見ている(参照ブログ、参照画像↓)。 禅画は江戸の反体制文化であるが、ドラッカーは、20世紀初頭のヨーロッパ表現主義が試みて失敗していた「精神的体験の視覚化」を300年前の江戸時代にすでに成功させていたとして高く評価していた。 この章には、白隠3点、風外2点、東嶺2点、仙厓3点が出ていたが、その中で1点だけあげるとすれば(↓)である。 ・仙厓義梵《蛙図》江戸時代: 目の前のミミズを飲み込もうとする蛙が描かれている。賛語の「一口呑三世如来」は、過去・現在・未来の仏の精神を一口で呑み尽くす蛙の大悟徹底の境地を表している。この境地に達することのできない凡人は蛙に劣るということなのだろう。ちなみに「三世如来」とは、釈迦仏(過去仏)・阿弥陀仏(現在仏)・弥勒仏(未来仏)の総称。 この章に作品が展示されていた画家としては、久隅守景2点、池大雅2点、与謝蕪村1点、長澤蘆雪1点、浦上玉堂3点、谷文晁1点、田能村竹田1点などがあったたが、ここでは(↓)の1点だけを紹介したい。 ・鶴亭《富士山図》江戸時代 1971年にドラッカーがニューヨークからカリフォルニア州のクレアモントに移り、その後に彼の主要な著作が著されたという。 この章に展示されたのが、そのクレアモントの彼の書斎に架けられていたと思われる作品である。その中には池大雅3点や与謝蕪村2点も含まれていたが、ここでは(↓)の作品を挙げておきたい。 ・桑山玉洲《雪竹図》江戸時代 美術散歩 管理人 とら 【付記】 千葉市美術館開館20周年記念 歴代館長は選ぶ所蔵名品展 その中で記憶に残ったのは、①写楽《三代目大谷鬼次の江戸兵衛》の見事な黒雲英、②歌麿の《朝顔を持つ美人図》と須田悦弘の《朝顔》のコンビネーション、③宮島達男の発光ダイオード作品《地の天》
by cardiacsurgery
| 2015-06-21 13:36
| 国内アート
|
ファン申請 |
||