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これは私が見た3回目の「片岡球子展」。今まで拝見したのは、下記のの2回。
・片岡球子展 @日本橋三越 1992年1月: この時には展示されている作品のカタログだけで済ませるのは、もったいないと思い、しっかりとした画集(↓)を購入した。 前回に買った画集を取り出してながめてみたが、この展覧会と同様に、1.自己の個性を確立するまでの初期の作品、2.火の山に挑むー特に富士山、3.面構ー人間性の探求、4.新たな主題ー裸婦の4章に分かれていた。さて、今回の展覧会の章立ても、ほぼ同じである。 第1章: 個性との闘い-初期作品今回は、この他に、特集「スケッチブック」と特集「渡欧関係資料」が、前期・後期展示替えあるいは頁替えで出ていた。 画像の著作権を考慮して、ここではフライヤーに載っている画像をそのまま引用し、それぞれについてのコメントを付けるに止める。 チラシ外面 (チラシ外面↑左)は、《面構 足利尊氏》昭和41年 神奈川県近代美術館で、球子61歳の作。黄不動のみなしである。この画は、その右隣の赤不動《面構 足利義満》、さらに右隣りの青不動《面構 足利義政》と並んで展示されていた。 (チラシ外面↑右上)は、有名な《富士に献花》平成2年 個人蔵。富士山にお辞儀して献花するように、富士山に花の絵柄の着物を着せたもので、霊峰への畏敬の念が表されている。球子65歳のこの作品は、2013年7月28日に放送された「日曜美術館: 夢の富士山 傑作10選」の第3位に選ばれている(参照)。 (チラシ外面↑右下)は、《面構 浮世絵師歌川国芳と浮世絵研究家鈴木重三先生》昭和63年は、球子83歳の作品。背景は国芳が描いた「七浦大漁繁盛之図」(↓)という捕鯨の版画で、前景の右に国芳、左に鈴木重三が時間を超えて坐っている。 (チラシ内面↑左下図)は、《桜島の夜》昭和37年 北海道近代美術館は、球子57歳の作で、48歳で描いた《カンナ》以降の画家の個性が爆発している作品の一つである。 (チラシ内面↑右上図)は、《幻想》昭和36年 神奈川県立近代美術館。雅楽「蘭陵王」と「環状楽」を一つの画面に描きこんだ球子56歳の作品。 (チラシ内面↑右下段左図)は、《飼育》昭和29年 横浜市立大岡小学校で、球子48歳の作品。球子が奉職していた小学校に残っている。 (チラシ内面↑右下段右図)は、《枇杷》昭和5年 北海道近代美術館は、球子25歳の作品で、院展初入選の記念碑的作品。枇杷の葉の裏表や葉脈まで写実的に描かれ、下の枝に止っていたカタツムリも見逃していない。 今回の展覧会では、特集展示も面白かった。またキャプションに制作時の画家の年齢が書かれていて、大変参考になった。 球子の《祈祷の僧》という行者の画を見た小林古径が、「貴女の画をゲテモノという人がいるが、ゲテモノのままで頑張りなさい。いつかは必ず道が開けます」という意味のことを云って、球子を激励したという。 個性を重視した古径ならでは言葉であるが、その言葉を奉じて、ゲテモノを貫き通した球子の生涯も見事である。 美術散歩 管理人 とら
by cardiacsurgery
| 2015-04-23 16:46
| 近代日本美術
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