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日本テレビの「モナリザ展示ホール」、「ミロのヴィーナス・ギャラリー」、「サモトラケのニケ」の改修・修復への協力というメセナ活動に対するルーヴル美術館のお返しという意味があるらしい。 いずれにせよ、今回の展覧会にはいわゆる名作が多数陳列されているので見逃すわけにはいかない。というわけで、初日に行ってきたが、会場は大勢の手つなぎカップルでかなり混雑していた。 プロローグⅠ「すでに古代において・・・」風俗画の紀元 ヨーロッパにおいて日々の営みを描く慣習は古代からあったが、多くは儀式の一場面や墓碑の装飾図像のような宗教的・社会的な目的を有していた。その例外として、古代エジプトでスケッチのために用いられたオストラコン(石灰岩片)に残っている日常の一コマの描写が何点か出ていた。結構上手に描けているので感心した。 このような古代の風俗描写が、後のヨーロッパ絵画に着想を与えた例として、新古典主義の端緒を開いたフランスのジョゼフ=マリー・ヴィアン《アモルを売る女》1763年(↓↓はその部分拡大図)が出ていた。アモルすなわちキューピットを人形のように売るというのだから面白い。 ルネサンス期のイタリアでは、職人として扱われてきた画家の地位向上のためには、学識を必要とする歴史や神話などを描く必要があると考えられるようになった。 このためフランス王立絵画彫刻アカデミーでは、絵画を「歴史画」を頂点とし、「肖像画」・「風景画」・「静物画」とした「ジャンル」別に分けたヒエラルキー構造とした。 その中で、今回のテーマである「身近な人々の日常に着想を得た絵画」には、長らく決まった呼び名もなく、無視されつづけてきた。 18世紀後半から19世紀にかけて、これが一つのジャンルとして認められるようになってからも「ジャンル画(Peinture de genre)」 という不思議な名称が付されていた。 ちなみに「風俗画」という日本語は、森鴎外が1880年に造語したものであるが、わが国では近世初期風俗画から浮世絵に至る流れの中で、16世紀以来、このジャンルの絵画・版画が市民権を得ていたのである。 このセクションでは、17世紀フランスにおける歴史画・肖像画・風景画・静物画・ジャンル画の5つのジャンルの代表作品が紹介されていた。注意しなければいけないのは、これらはあくまでフランスという一つの国の状況を代表している作品で、フランドル、オランダ、スペインなどで制作された作品は含まれていない。 「歴史画」としてはシャルル・ル・ブランの《キリストのエルサレム入城》17世紀(↓): ロバに乗り、青く輝くマントをはおったキリストが使徒に伴われてエルサレムへ入城。 喜びに沸く群衆の中に、キリストに癒された病人や障害者も描かれている。 「労働」は、16~19世紀におけるヨーロッパ風俗画における中心的なテーマのひとつだった。 この章に展示された作品には、商人、農民、職人、召使いの女性、物乞いなど、さまざまな職業に従事する人々の日常が描かれている。 当初の作品には、教訓的意味や風刺が含まれているものが多かった。 その一例が、フランドルのクエンティン・マセイスが描いた《両替商とその妻》1514年である(参照)。 次にあげるのはスペインのバルトロメ・エステバン・ムリーリョが描いた《物乞いの少年(虱をとる少年)》1568年である。彼は有名な宗教画《無原罪の御宿り》を描いた画家でもあるが、ここで描かれているのは、格差社会の底辺を生きる少年である。 貧者と貧者への共感は、スペインの修道士・知識人・芸術家にとってのテーマであり、ムリリョーがしばしば制作を依頼されたフランシスコ修道会の信念と一致している。 フランドルのピーテル・ブリューゲルが描いた小品《物乞いたち》1568年も、5人の身体障害者を描いた印象深い作品だった。 ヘリット・ファン・ホントホルストの《抜歯屋》1727年(↓)やジャン・ドメニコ・ティエポロの《大道商人》または《抜歯屋》1754‐55年(↓↓)も面白かった。特に、前者には羽付帽を被っている二人の泥棒も描かれている。 大分長くなってきたので、第Ⅱ章以降は日を改めて書くこととしたい(「その2」はこちら)。 自分のブログやHPを「ルーヴル美術館展」で検索してみると、下記の7件がヒットした。 ・2013年 ルーヴル美術館展‐地中海4000年の物語 @東京都美術館 美術散歩 管理人 とら
by cardiacsurgery
| 2015-02-24 10:50
| 国外アート
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