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この展覧会は5章立てであるが、展示作品はわずか27点なので、全作品について簡単なメモを残すことにする。 第1章 物語絵の想像力―〈ことば〉の不確かさ 1.《扇面法華経冊子断簡》平安時代(12世紀): 原典不詳の絵の上に法華経の言葉が書かれている。 3.冷泉為恭《雪月花図》双幅 江戸時代(19世紀): 左幅の「雪図」は、「枕草子 第299段: 香炉峰の雪」に登場する簾を掲げて山に積もった「雪」を眺める女性たち。右幅の「月花図」は、源氏と朧月夜が出会う「源氏物語 第34帖: 若葉上」の情景で 空には「月」、庭には「花」が描かれている。 4.伝 俵屋宗達《源氏物語図屏風断簡・葵》江戸時代(17世紀): 光源氏が、加茂祭を見にゆく紫の姫君の髪を梳いている。 7.《源氏物語図屏風》二曲一双 江戸時代(17世紀): 5帖のみの図なので、大きくて分かりやすいが、あまり上手とは云えない絵だった。 8.岩佐勝友《扇面貼交画帖》桃山~江戸時代(16~17世紀): 岩佐勝友は岩佐又兵衛と関わりのある画家とのこと。 【花宴】の朧月夜に抱きつく光源氏(↓)や【須磨】の雷神(↓↓)の描写はユニークである。 10.《小柴垣草紙絵巻》鎌倉時代(13世紀): 斎官となる斎子姫が平致光と密通するという話を「十訓抄」などから採用した絵巻。 第3章 失恋と隠遁―ここではない場所へ 11.俵屋宗達《伊勢物語 武蔵野図色紙》江戸時代(17世紀) : 伊勢物語第12段。男(在原業平)は、ある豪族の娘と駆け落ちし、武蔵野の草むらに身を潜めていた。国守の追っ手が野を焼いて探そうとしたところ、娘は互いの身を案じ歌を詠んで火をつけるのを止めさせたという場面が描かれている。 14.狩野尚信 《平家物語 小督図屏風(和漢故事人物図屏風のうち)》: 《野々宮図》は「源氏物語 賢木(第十帖)」の場面であるが、鳥居の下に佇んで前方に視線を送る光源氏は、伊勢下向をひかえたかつての恋人・六条御息所を嵯峨の野々宮に訪ねて、変わらぬ恋慕の情を伝えようとしている。 この光源氏が《小督図屏風》の源仲国に対応しており、六条御息所が小督に相当するというのである。 15.絵/俵屋宗達 詞/烏丸光広《西行物語絵巻》寛永7年(1630年): 室町時代の絵巻の模作とのことであるが、絵も書も美しい。第1巻・第2巻・第4巻が出ていた。今回は、場面替えのために全図が見られないのは残念だった。 ちなみに、この《西行物語絵巻》には多数の異本があり、内容によって、次の3系統に分類される。(千野香織『絵巻・西行物語絵』「日本の美術」416号、至文堂、2001年) A. 広本系: 出家後の西行が吉野、熊野、大峰をめぐる旅に出る。 佐藤義清はこの褒賞によって一旦は出家することをためらうが、友人の死に遭遇してこの世のはかなさを知って出家し、西行法師として漂泊の旅に出た。 第4章 出世と名声― 成功と失敗をめぐって 16.絵/住吉具慶 詞/伝 烏丸光雄 伝 花山院定誠 伝 七条隆豊《宇治拾遺物語絵巻》江戸時代(17世紀): 場面替えありとのことだが、今回は「宇治拾遺物語 巻15」の弓の名人・門部府生(舎人)が「夜の練習のために燃やして明かりとするために屋根の葺き板を外している場面」と「宮中での賭弓(のりゆみ)に勝つ場面」(↓)が見られた。 第5章 荒ぶる心― 軍記物語と仇討ち 18.《平家物語 一の谷・屋島・壇ノ浦合戦図屏風》八曲一双 江戸時代(17世紀): 有名な三つの合戦図。源氏は白旗、平氏は赤旗で鑑別できる。 20.《曽我物語図屏風》六曲一双 江戸時代(17世紀): 右隻には昼の「富士の巻狩り」(↓)、左隻には夜の「曽我兄弟の斬りこみ」などが見られた。 第6章 祈りのちから― 神仏をもとめて 22.《天神縁起 尊意参内図屏風》六曲一隻 室町時代(16世紀): 23.伝 岩佐又兵衛《蟻通・貨狄造船図屏風》六曲一双 江戸時代(17世紀): 再見。左隻(↓)に描かれているのは世阿弥の「蟻通」に登場する下馬しないで神社境内に入った「紀貫之」ではなく、「源氏物語 桐壷」に登場する光源氏元服の折に馬を与えられた「左大臣」。 26.《融通念仏縁起絵巻断簡》鎌倉時代(14世紀): 断簡はつまらない。 27.《神於寺縁起絵巻断簡》鎌倉時代(14世紀): 断簡は本当につまらない。 絵巻を絶った人間は「文化財保護」の精神を一かけらも持ち合わせていなかったのだろう。 展示品に再見のものが多いのは致し方ないが、それなりに楽しめる展覧会だった。 美術散歩 管理人 とら
by cardiacsurgery
| 2015-01-16 22:49
| 国内アート
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