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本日から始まったこの展覧会の内覧会に、昨日行ってきた。
その目的は若い世代にこの”DISCOVER JAPAN”を発見してもらおうというものであるが、展覧会のサブタイトルの「”遠く”へ行きたい」はわれわれ旧世代にとってもますます大切となってきているものであり、また最近の円安を背景として海外旅行に対抗しているJR各社などの国内旅行関連企業にとっても重要なテーマである。 ディスカバー・ジャパン (DISCOVER JAPAN)とは、国鉄が個人旅行客の増大を目的に1970年から始めたキャンペーン。個人旅行の拡大や女性旅行者の増加などの社会情勢の変化とマッチし、キャンペーンとしては成功したとみなされている。キャンペーンの副題は「美しい日本と私」だった。 国鉄は、1964年に東海道新幹線によって東京 - 大阪間の輸送力を強化し、1968年のダイヤ改正で在来線の輸送網強化を完成させた。 1970年3月から9月に開催された大阪万博では、この国鉄輸送網が活躍して大量の乗客を輸送し、今まで団体旅行しか経験しなかった多くの国民の目を、個人旅行に向けさせた。国鉄は1970年10月に万博終了後の旅客確保対策として、個人旅行拡大キャンペーン「ディスカバー・ジャパン」を開始した。 ”DISCOVER JAPAN”は、従来の特定地域に絞ったキャンペーンとは異なり、「日本を発見し、自分自身を再発見する」ことを目的としていた。このキャンペーンは電通が担当した。 このキャンペーンには ポスター、駅スタンプ↑↑、ミニ周遊券↑、機関紙の他に、新聞やテレビなど種々のメディアが使われた。 国鉄提供によるテレビ紀行番組「遠くへ行きたい」はその一つである。これは永六輔が一人で日本全国を旅して、各地の名所紹介や住民とのふれあいをテーマにした番組だった。永六輔が作詞し、中村八大が作曲した同名の主題曲が有名になった。 今回の展覧会では、TV番組「遠くへ行きたい-伊丹十三の天が近い村」と「遠くへ行きたい-ダイジェスト版」を椅子に坐って見られたが、いずれも面白く微笑ましいものだった。 特に後者はヘッドフォーンの数に限りがあるようなので、混まないうちに行かれることをお勧めする。 ↓は前者の一場面で、窓から屋内を覗いている娘のクローズアップである。 彼女は、天竜川の上流の山あいの非常にひなびた村落に住む娘である。 屋内では、結納の儀式が済んで、祝い膳が並び、目出度く婚約なった両人を囲んで両家揃って祝い唄が歌われている。 ネタバレになりそうだが、この映像の何が面白かったかについてちょっと触れておきたい。 ついでにもう一つ。新幹線は、1972年に岡山、1975年に博多へと延伸し、在来線では特急列車が大幅に増発された。 キャンペーンの始まりにやや先だって1970年に女性雑誌an・anが、翌1971年にnon-noが創刊され、小京都・倉敷・萩・馬籠宿などを紹介して、若い女性の個人旅行者「アンノン族」を生み出した。 一方、”DISCOVER JAPAN"のポスターにおける写真表現の「虚構性」を鋭く批判していた中原卓馬の作品「来たるべき言葉のために」も大きなパネルで紹介されていた。 図録には中原の論理の矛盾を鋭く突いた長文の論考が載っていたが、当時の反体制的な雰囲気を実体験している世代の中には、中原の過激な批判を40年後の「後人」が一方的に否定することについて、ある種の違和感を持つ向きもあるかと思う。 この”DISCOVER JAPAN”が開始されたころは、私自身は米国に在住していたので、当時の熱気は展覧会「日本の70年代@広島市現代美術館」で見た「あんあん創刊号」↑や「DISCOVER JAPAN 40年記念カタログ」で初めて知ったのであるが、今回の展覧会でその詳細を知ることができた。 老若男女を問わず必見の展覧会だと思います。混んでこないうちに早めに出かけられることをお勧めします。 美術散歩 管理人 とら
by cardiacsurgery
| 2014-09-13 10:47
| 現代アート(国内)
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