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昨年のクリスマス・イヴにダン・ブラウン著「インフェルノ」上下巻を買い込み、大晦日に読み終えた。主人公のラングドン教授と久し振りに邂逅した感じだった。ちなみに、以前書いた小説「ダヴィンチ・コード」のHP記事はこちら、映画「ダヴィンチ・コード」のブログ記事はこちらである。
これは、著者ダン・ブラウンの妻が美術史研究家であり画家でもあることと無関係ではなかろう。 今回の「インフェルノ」では、主人公はフィレンツェ、ベネチア、イスタンブールの有名観光地を動いており、読み終わってから、それぞれのツアー・ブックを本棚から出して懐かしく見直した。 また、自分のHPの記事も久しぶりに読み返してみた。例えば、ヴァザーリ回廊、ドゥカーレ宮殿、地下宮殿などである。 「インフェルノ」は、ダンテの神曲の地獄篇に由来しており、小説内にはこれに関連した美術作品がいくつも登場していた。 その中で重要なのは、ボッティチェリの《地獄の見取図》である。これは、約100葉の「ダンテ神曲挿絵」のうち彩色された3葉の一つである。 【註】このボッティチェリの《地獄の見取図》を「ダンテ神曲デジタル複製版」で2015年5月に印刷博物館で開かれていた「ヴァチカン教皇庁図書館展Ⅱ」で見ることができ、思わず興奮した。 具体的な罪状は、第1圏=洗礼拒否、第2圏=好色、第3圏=大食、第4圏=貪欲、第5圏=憤り、第6圏=異端、第7圏=暴力、第8圏=悪意、第9圏=裏切 となっている。 今回の小説がもっとも関係しているのは、この中の第8圏のようである。ここでは、「悪意」で罪を犯した者たちが、10種類の「悪の濠」に振り分けられ、下記のような罰を受けることになっている。 第1濠=女衒 →鞭打、第2濠=阿諛 →糞尿漬け、第3濠=沽聖→火刑、第4濠=魔術→捻首、第5濠=汚職→熱瀝青漬け、第6濠=偽善→鉛外套着用歩行、第7濠=窃盗→反復蛇噛火刑、第8濠=謀略→火刑、第9濠=不和→内臓露出、第10嚢=詐欺→悪疫罹患 参考までに、「ダンテ神曲挿絵」のもう1葉の彩色挿絵《地獄篇第十八歌》の画像をアップする。 外側の第1濠では、女衒や女蕩らしたちが悪魔の鞭に追い立てられて走りまわり、内側の第2濠では、糞尿の溜まりの中で阿諛追従の従たちがもがき苦しんでいる。 ダンテとベルギリウスは、左上で怪獣から降り立ち、第1濠の状景に目をやっている。次いで、岩の橋の所で、ベルギリウスはダンテにイアソンが第1濠の中にいることを指で教えている。次いで二人は第2濠にさしかかるが、ダンテはあまりの悪臭に顔を覆っている。 今回の小説には、ギュスターヴ・ドレの版画挿絵《地獄篇の冒頭。気が付くと深い森の中におり、恐怖を抱くダンテ》↓も登場していた。 今回の小説の下巻の口絵には、トメニコ・ディ・ミケリーノが描いた《ダンテの神曲》サンタ・マリア・デル・フィーオーレ大聖堂↓の部分画像 が載っていた。 ダンテの持つ「神曲」の本から金色の光が発し、フィレンツェの建物を照らしている。 画面上部は天国の表現にあてられるが、これは青の同心円でごく簡略に表されている。そこで、口直しのため、ボッティチェリの「ダンテ神曲挿絵」の中の《天国編第六歌》の画像をアップする↓。 小説内のラングドン教授に導かれ、ダンテ「神曲」の「地獄・煉獄・天国」を巡る美術散歩をしてしまった。 後は、ダンテの「神曲」を「青空文庫」で読むだけであるが、その「文学散歩」はキツソウなので、今から及び腰である。 美術散歩 管理人 とら 【参照ブログ】 ① ② ③
by cardiacsurgery
| 2014-01-09 13:03
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