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岡倉天心生誕150年・没後100年、『国華』創刊125年、朝日新聞創刊135年という超大げさな形容詞の付いた展覧会。
このため羊頭狗肉展ではないかと思って見に行くのを躊躇していたのだが、山愚痴画伯(山口晃氏)が講演会で大観の画は「空間が抜けない背景」、「残念な形の富士山」で、「トップの人は後ろを振り向き、後進の技をかっさらう」、「つまらないものは上品につながります」と発言されたことを知った(参照)。 この山愚痴氏の意見は、私自身以前から感じていた通りであるので、この際、その確認のために横美 に行ってみることにした。 右から、岡倉天心・横山大観・今村紫紅・小杉未醒・小川芋銭・冨田溪仙である。 会場内には肖像画の実物があり、そこには「昔の絵描きは若いのに威張っている」といった意味のツブヤキが記されていた。 第一章 良き師との出会い:大観と天心 1-1. 天心との出会い 3. 横山大観 《写生(蓮根、くわい)》 五浦美術館: ☆☆☆ 4. 横山大観 《写生(風呂敷包み)》 五浦美術館: ☆☆☆ 6. 横山大観 《猿廻》 東京藝術大学: 再見。☆☆ 7. 横山大観 《村童観猿翁》 東京藝術大学: 再見。☆☆ 8. 横山大観 《絵師草紙》(模写) 東京大学: 美術学校在学中。 10. 横山大観 《四季の雨》 東京藝術大学: 朦朧体の先駆け。 1-2.日本美術の理想に向けて 12. 横山大観 《黄昏―夏日四題の内》 敦井美術館 13. 横山大観 《菜の花歌意》 14. 横山大観 《阿やめ(水鏡)》 横山大観記念館 16. 横山大観 《帰牧図》 東京都現代美術館: ☆ 18. 横山大観 《観音図》 播磨屋本店 19. 横山大観 《雪後》 富山県水墨美術館 20. 横山大観 《杜鵑》 21. 横山大観 《柳下舟行》 播磨屋本店 22. 横山大観 《瀑布四題》 富山県水墨美術館: ☆☆ 25. 横山大観 《老君出関》 福井県立美術館: 三幅対。中幅の老子が印象的。☆ 「何をいそぐぞ徐甲よと、老子の微笑は幽かであつた」という北原白秋の詩「老子」を思い出した。 26. 横山大観 《雨後》 伊豆市 : 上部に虹が描かれている。 27. 横山大観 《釈迦十六羅漢図》 東京国立博物館 28. 横山大観 《山路》 京都国立近代美術館: 木の葉の表現は点描ないし米点を意識したものなのだろうか。 30. 横山大観 《観音》 東京国立近代美術館: インド風のサリーを着た観音様。☆☆画像↓ 2-1.水墨と色彩 32. 横山大観 《虎渓三笑》 横浜美術館 35. 横山大観 《長江の巻》 東京国立博物館 36. 横山大観 《雲去来》 熊本県立美術館: 竹生島の風景。 37. 横山大観 《秋色》: 左端に二頭の鹿。緑のぼかしが入った紅葉は好きではないが、記憶に残る。↓は美術館の前の看板。 39. 横山大観 《洛中洛外雨十題 辰巳橋夜雨》 常陽銀行 40. 横山大観 《洛中洛外雨十題 糺の森秋雨》 石橋美術館 44. 横山大観 《霊峰不二》 横浜美術館: 大観の富士山は好きになれない。 46. 横山大観 《夜》 横山大観記念館 47. 横山大観・小杉未醒(放菴)《黄初平・趙丙》: 大観描く黄初平は石を羊に変え、未醒描く南宋最後の皇帝・趙丙は海上に茣蓙に乗って浮かんでいる。 48. 横山大観・下村観山・今村紫紅・小杉未醒(放菴)合作 《絵御本水指 「花」》東京国立博物館 49. 今村紫紅 《海の幸山の幸》 石橋美術館: 金屏風。左隻には弓を使える山幸彦。右隻には豊玉姫と侍女。針を失くした海幸彦は描かれていない。 51. 今村紫紅 《湯の宿》 横浜美術館 52. 今村紫紅 《入る日・出る月》(画稿) 平塚市美術館 53. 小杉未醒(放菴) 《北馬南船帖》 横山大観記念館 54. 小川芋銭 《細道絵日記》 福島県立美術館: ☆ 56. 小川芋銭 《夢中野干燈》 茨城県近代美術館: 右上方に狐火が描かれている。 57. 冨田溪仙 《かひこの森》 福岡県立美術館: ☆ 58. 冨田溪仙 《祇園夜桜》(↓左) 横山大観記念館: 有名な大観の《夜桜》(左隻、↓右)大倉集古館の発想源となった作品。この画像はクリックで拡大します。《祇園夜桜》の前には、#152の横山大観 《冨田溪仙宛て書簡(祇園夜桜入手の件)が置いてあった。 59. 横山大観 《雷霆》: らいてい。滝壺。☆ 61. 横山大観 《松並木》 霊友会: 松の幹の鱗紋様が印象的。☆ 63. 横山大観 《焚火》 豊田市美術館: 寒山拾得を描いたものだが、ベタッとした平面的な画で好きになれない。 65. 横山大観 《竹雨》 横山大観記念館: 雨が短い白の斜線として描かれている。 66. 横山大観 《浪》 足立美術館: 沖合の波は穏やかで、磯辺の波は荒い。両者の移行が急激過ぎて落ち着かない。 68. 横山大観 《汐見坂》 足立美術館: 同名の紫紅の作品(#79)と並べて展示されていた。紫紅の画では山に上って行く様子が上手く表現されていたのに対し、大観のほうは平面的でかなり見劣りがした。 71. 横山大観 《陶靖節》 横須賀美術館 72. 横山大観 《月下逍遙》 横山大観記念館 73. 横山大観 《老子》↓ 熊本県立美術館: 全体的に平板で、人物が極端にデフォルメされた実験的な作品。 75. 横山大観・小杉未醒(放菴)《飛天・霊峰不二》: 未醒の妹のための金地の雛屏風。未醒の飛天は上手いが、大観の富士はあまりいただけない。 77. 今村紫紅 《月明り》 横浜美術館: 坂を見上げる構図が良い。☆ 79. 今村紫紅 《潮見坂》 横浜美術館: 大観の同名の作品(#68)にくらべ、構図が上手い。☆ 80. 今村紫紅 《沙魚》 横浜美術館: リズミカルな構成。上の2尾のハゼは右上方に向かい、その下の1尾は左下、そのまた下の1尾は右下、一番下の3尾は左下に向かって泳いでいる。最上部の2尾を除けば、スキーのスラロームのようだ。これはお気に入り。☆☆☆ 81. 今村紫紅 《春さき》 東京国立近代美術館 83. 小杉未醒(放菴) 《列仙屛風》 日光美術館: 右隻は石を羊に変える見慣れた「黄初平」。左隻は仙薬を作っている兎をのぞき見している「悲航」。画像↓ 87. 小杉未醒(放菴) 《晩鐘》 宇都宮美術館: 直角に曲がる路とその上の門を垂直に描いた構図が面白い。☆ 89. 小川芋銭 《夕風》 五島美術館: ☆ 92. 冨田溪仙 《宇治川之巻(宇治橋)》 京都市美術館: ☆ 96. 冨田溪仙 《獅子猛進の図》: ☆☆ 2-3.主題の新たな探究 97. 横山大観 《瀟湘八景》↓ 東京国立博物館: 重美。夏目漱石が「気の利いたような間の抜けたような趣。大変に巧みな手際を見せると同時に、変に無粋で無頓着なところを備えている」という面白い批評をしている(参照)。 103. 横山大観 《千ノ與四郎》↓ 野間文化財団: 再見。同行した茶人の家内が詳しく説明してくれた。 右隻中央には、露地(茶庭)への入口の枝折戸。右隻左には、紅葉した樹。 左隻中央には、若き日の千利休の姿が描かれている。師匠の武野紹鴎が利休に庭の掃除を命じたところ、利休は掃き清めた庭へ樹をゆすって桜紅葉を落として一味の閑寂さを添えたという。 左隻左には、手水鉢が置かれた「つくばい」(蹲踞)が描かれている。 105. 横山大観 《春寒》 伊豆市 108. 小杉未醒(放菴) 《桃源漁郎絵巻》 日光美術館: 二双の屏風に二段に貼りつけたもの。最後に桃源郷を出てきた漁師がしょんぼり坐っているところがユニークである。☆☆ 109. 小杉未醒(放菴) 《三笑》 日光美術館 110. 小川芋銭 《肉案》 ↓茨城県近代美術館: 描かれているのは、猪の頭を掲げて、一番良い肉を売ってくれと店主に叫んでいる男。盤山禅師の「一如平等」の意味を体した禅画。☆ 112. 冨田溪仙 《筑紫八景》 福岡市美術館 第三章 円熟期に至る 113. 横山大観 《生々流転》(習作) 横山大観記念館 115. 横山大観 《河水清》 116. 横山大観《比良山の月》: ☆ 118. 横山大観《白梅》: 彩色、遠近法ともに申し分のない大観の秀作。☆☆☆ 122. 横山大観《野の花》 ↓永青文庫: 左隻の花鳥は美しいが、右隻のバタ臭い女性はミスマッチ。 124. 横山大観・冨田溪仙《日本橋・三条大橋》: 大観の画は水平ないしやや仰角で描かれ、溪仙の画は俯瞰で描かれているので、二枚並んでいるところを見ると、ちょっと落ち着かない。そばに4の書簡が置かれていた。 128. 小川芋銭 《貯水池の辺りを行く牛市の群れ》: ユーモアあふれる傑作。 130. 小川芋銭 《春夏秋冬》 横須賀美術館 131. 小川芋銭 《南山》 横山大観記念館: 「山【壽】南」の文字を描き込んだ作品。☆ 132. 小川芋銭 《蓬萊山》 横山大観記念館: 蓬萊山が塔に載ってしまったシュールな構図。☆☆ 138. 冨田溪仙 《越前紙漉》 福井県立美術館: ☆ 139. 冨田溪仙 《祝扇》 横山大観記念館: 松と鶴が描き込まれた雪の景。 140. 冨田溪仙 《紙漉き》 東京国立近代美術館: 福井の岩野平三郎の工房。複数の視点から描かれたセザンヌ風の作品。☆ 142. 冨田溪仙 《蓬萊山》 横山大観記念館 関連の作品と資料 143. 岡倉天心 《清国旅中雑記》 横山大観記念館 144. 岡倉天心 《山笑録》 横山大観記念館 145. 岡倉天心 《五浦即事》 横山大観記念館 146. 岡倉天心 《華燭之御祝 明治三十九年七月十七日 横山大観宛て書簡》 横山大観記念館: 思わず読んでしまった。字は右肩下がりで下手。 147. 岡倉天心 《遠慮めさるな》 横山大観記念館 148. 岡倉天心 《仰天有始》 横山大観記念館 149. 『國華』創刊号 朝日新聞社 150. 横山大観 《三溪園スケッチ》 五浦美術館 151. 横山大観 《五浦スケッチ》 五浦美術館 152. 横山大観 《冨田溪仙宛て書簡(祇園夜桜入手の件)》 横山大観記念館 153. 《謹みて冨田溪仙君の霊に告ぐ溪仙葬儀弔文》 横山大観記念館: 短すぎる弔意文。 154. 横山大観 冨田溪仙 《三条大橋日本橋対幅に就而の書簡》: #124関連の手紙。大観は広い場所に置くことを想定して描いた。 155. 《今村紫紅忌芳名録》 横浜美術館 156. 五世清水六兵衛作 小杉未醒(放菴)絵付《青華鉢》横山大観記念館 157. 小川芋銭 《雲裏魚光》 横山大観記念館: 飛行船。 158. 小川芋銭 《天池之水》 横山大観記念館 159. 五世清水六兵衛作 冨田溪仙絵付《絵御本鉢 「躑躅」》 横山大観記念館 160. 五世清水六兵衛作 冨田溪仙絵付《絵御本茶盌》 横山大観記念館 161. 五世清水六兵衛作 冨田溪仙絵付《絵御本水指 「花」》 横山大観記念館 162. 平櫛田中 《岡倉天心胸像》 横浜美術館 折角の展覧会だが、岡倉天心生誕150年・没後100年・『国華』創刊125年・朝日新聞創刊135年という多目的の展覧会であるため、構成が複雑となっており、実際の展示とリストはかけ離れている。その上、展示換えが多いため、リスト自体が読みにくい。 岡倉天心や美術雑誌「国華」や朝日新聞社は忘れて、横山大観・今村紫紅・小杉未醒・小川芋銭・冨田溪仙の関係に絞った展覧会にした方が良かったと思う。 なお、大観に関する山口晃画伯の意見は、正鵠を射ていることを再確認した。 美術散歩 管理人 とら 【参考】 ・横山大観展 @日本橋三越 2005.3 ・小杉放庵と小川芋銭 @ 龍泉寺 ほほえみ美術館 2007.5 ・横山大観 @国立新美術館 2008.2 ・小杉放菴と大観 @出光美術館 2009.2 ・横山大観と木村武山 @野間記念館 2009.3 ・小川芋銭と珊瑚会の画家たち @愛知県美術館 2010.4
by cardiacsurgery
| 2013-10-23 13:21
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