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2005年7月に、ピッティ宮を訪れているが(HP記事参照)、その時には2階の「パラティーナ美術館」だけを見て、3階の「近代美術館」はパスしている。しかし、その時にピッティ宮の全美術館の全作品を掲載した日本語の「公認ガイドブック」を買ってきたので、この「近代美術館」のことは知っていた。
2010年2月に、東京都庭園美術館で開かれた「マッキアイオーリ 光を描いた近代画家たち」展の作品は、今回と同じく、この「近代美術館」から来たものだった(ブログ記事)。その展覧会は、マッキアイオーリに絞ったものだったので、その主要画家である「ファットーリ」、「シニョリーニ」、「レーガ」、「アッパーティ」について書いた。 ・ベッツオーリ《自画像》: ↑上段左。明るいロマン派。 ・サバテッリ《チマブーエとジョット》: ↑上段左から三番目。チマブーエがジョットの画才を見出したところが描かれている。 ・ボッラストリーニ《ピーア・デ・トロイの墓にきたネッロ》: 恋人の娘を埋葬する小説の一場面。 ・ピエリーニ《煉獄におけるダンテとベアトリーチェの出会い》: ダンテは椅子に坐るベアトリーチェの前に跪いている。 ・ジャン=バティスト・フォルトゥネ・ド・フルニエ《デミドフ家の別荘のサロン》: ロシア貴族の絵画コレクションを飾った部屋が描かれている。中にはナポレオンの肖像画も見える。 ・ジョヴァンニ・シニョリーニ《フィレンツェの謝肉祭》: 賑やかな状景。 ・フォンタネージ《サンタ・トリニタ橋付近のアルノ川》: ↑上段左から二番目。来日して東京工部美術学校で教鞭をとったお雇い外国人の作品。 2章 新たなる絵画 マッキアオーリ ・ファットーリ《従姉妹アルジアの肖像》: チラシ表↑↑。この画家の肖像画としては初期のもの。繊細で内省的なこの作品は、コローの肖像画を想起させる。ファットーリのその他の作品としては《牛のいる畑》など6点が出ていたが、それぞれに和める画だった。 ・セルネージ《麦打ち場》: 再見。↑下段右。カスティリオンチェッロにおけるマルテッリの自宅やその入り江が描かれた幅の狭い板絵。空の雲、干し物,二頭の牛と荷車、ニワトリを追いかける犬がパノラマ風に描かれている。 ・テレコマ・シニョリーニ《少年の頭部》: ↑下段左。上記・ジョヴァンニ・シニョリーニの息子。この他《モンマルトル》や《草上の二人の子供たち》もなかなか良かった。 ・ジュセッペ・デ・ニッティス《オファント川岸で》↓: 川岸をならんで進む牛の列を描いたパノラマ絵画。同行した家内のお気に入りなので、絵葉書を買った。 ・ダンコーナ《ロッシーニの肖像》: 画家の兄が作曲家・ロッシーニの「かかりつけ医」だった。 ・チゼーリ《キリストの埋葬》: 女性たちが死せるキリストを運んでいる。 ・ドメニコ・モレッリ《聖アントニウスの誘惑》: 誘惑するのは生身の女性。 ・オスカル・ギーリア《貝殻のある静物》↓: 桃色の貝殻とガラス瓶。靑や赤のカーテンなど色彩豊かで、今回のマイベスト。瓶の光沢の表現も上手い。 ・キーニ《船渠(ヴァレッジョ)》↓: ボナール調の色彩。 4章 20世紀の画家たち: イタリア絵画の立役者たちとその傾向 ・デ・キリコ《南イタリアの歌》: ↑↑↑↑上段右。形而上絵画。顔のない人物たち。手前の女性はギターを弾いている。 ・アルベルト・サヴィニオ《オルフェウスとエウリディケ》: デ・キリコの弟。「パリのイタリア人」の一人。描かれているのは本人らしき男性とパートナーの女性。 ・カルロ・カッラ《ニシンとアンチョビー》: この画家は一時期形而上絵画や未来派の作品を描いていたが、これは写実的静物画。ニシン2尾とレモン1個は分かるのだが、アンチョビーはどこ?どうも壺の中に入っているらしい。 気楽に見られる作品が揃っていたが、これらが制作された時代背景が非常に複雑なものだったことも理解できた。 この時代のトスカーナは、ナポレオン征服、イタリア統一、二度の世界大戦ことにムッソリーニ政権出現などという歴史の大波に翻弄されていた。 トスカーナの美術が、先行するフランス美術の影響を受けつつも、マッキア派・形而上派・未来派などの独自性を持ち得たのは、「新たなルネサンス」を指向するトスカーナ魂がその基盤にあったのかもしれないと思った。 美術散歩 管理人 とら
by cardiacsurgery
| 2013-10-06 23:42
| 国外アート
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