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この画は、「少女が【鏡】に向かって真珠のネックレスを持ち上げて確かめている」と説明され、私自身もそれを鵜呑みにしていた。 ところが、最近届いた「U SEVEN vol47, January 2013」に載っていた国立西洋美術館主任研究員・高梨光正氏の「見学会・講演会記録:ベルリン国立美術館展」(p40-51)を読んで驚いた。 1.左の壁にかかる黒いオーク製のオランダ額は、縦25cmX横20cmぐらいで、通常は絵を飾るためのもので、【鏡】がはめ込まれているとすれば随分小さな【鏡】である。 2.後ろの椅子のサイズを50~60cmとすると、彼女は【鏡】から1m~1m20cm離れていることになる。真珠の質を確認したいのなら直接見たほうがいいし、真珠が似合うかどうか確認したいのなら、もっと大きな【鏡】に映すか、【鏡】の間近に寄らないと見えないだろう。 3.結論として、額縁の中にあるのは【鏡】ではなく肖像画であり、少女はその人物に真珠を見せているのである。 4.テーブルの手前側にある手紙らしき紙片の存在から、その人物は彼女の恋人であると考えられる。 5.少女の恋人は東インド会社に勤める船乗りで、給料で買った真珠を手紙とともに彼女に送ってきた。 6.喜びと安心感の中で彼女はそれを身に着け、肖像画の相手に見せている。 7.後で塗りつぶされた世界地図が描かれていた理由も、これで説明できる。 高梨氏の専門は文学作品を扱ったイタリア絵画であって、オランダ絵画ではないようだ。しかし、それだけに自由な発想が可能だったのであろう。 アマチュアの私にはこの新説の当否を議論する資格はないが、「解説を読んだ時に絵がより魅力的になり、鑑賞が楽しくなってこそ、絵もまた命を吹き込まれる」という 高梨氏の結びの言葉には全面的に賛成する。 美術散歩 管理人 とら
by cardiacsurgery
| 2013-01-06 11:53
| バロック
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