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これは第1報からの続き。
6.寓意・象徴-神の世界と人の世界 画面右には、上から下に向かって、足鎖を付けられた「奴隷」・笏を手にした「王」・月桂冠をカぶった詩人が、縦に連なっている。これらの序列の意味は?と頭をひねっている。 いずれにせよ、バーン=ジョーンズの傑作の一つに数えられているこの画に遭遇したのは、わたしの幸運であった。 バーン=ジョーンズはキリスト教を題材にしたステンドグラスの下絵をいくつも描いている。 3人の聖女像自体が素晴らしいものなのだが、その間のスペースに、面白いスケッチがいくつも描きこまれており、思わす笑ってしまった。 《魔法使い》というタイトルの画は不思議な画であった↓。 右側に描かれた凹面鏡には難破船が映っている。シェークスピアの「テンペスト」を意味しているのだろうか。 会場のキャプションには、①画家は、この画を描くために、ロンドン・ナショナル・ギャラリーに出かけて、ヤン・ファン・エイクの《アルノフィニ夫妻の結婚》を参考にしてきた ②何らかの秘儀を描いている ③年配の男性は画家本人の可能性がある などの説明があったが、どうも消化不良である。 この点、英文パンフレットも参考にしてみたが、前後の画については詳細な説明があるのに、この画については触れられていなかった。 7.ピグマリオン-「マイ・フェアレディ」物語 キプロスの王で優れた彫刻家でもあった「ピグマリオン」は、白い象牙で女性の彫像を造ったが、あまりにも美しく生身のように出来上がったのでその彫像を愛してしまった。 ピグマリオンから救けを求められたウェヌスは、この彫像に生命を与え、ピグマリオンはこの女性「ガラーテア」と結婚した。 この物語は、古代ローマの詩人オウィディウスの「変身物語 Metamorphoses」に端を発し、モリスの「ピグマリオンと彫像」からバーン=ジョーンズの連作画に連なってきたのである。 バーン=ジョーンズは、1867年に、このテーマで沢山の素描を描いていたが、モリスの計画が挫折した後、一連の油彩画を描いた。これには二つのバージョンがあるが、今回展示されたのは、1878年の第2バージョン。1870年の第1バージョンに比べ、サイズが大きく、色調が全体に明るい。 ↓は、クリックで拡大します 《心抑えて》では、ピグマリオンは彫像の前に立って、どうすべきか迷っている。手には道具を持ったまま、床にも道具が散らばっており、窓の外で流れ落ちる水音が聞こえてくるような気がする。 《女神のはからい》では、ヴェヌスが大理石の彫像をガラーテアという生身の女性に変え、二人は手を取り合っている。ピグマリオンは月桂樹の冠を被り、手にも月桂樹の枝を持っている。足元には花を咥えた鳩が描きこまれ、屋外には花が咲いている。 《成就》では、ピグマリオンがガラーテアの手を取り、足もとに跪いて求愛している。 バーン=ジョーンズは、1865年頃に、この第1バージョンの注文主の娘マリアとなさぬ仲になってしまった。マリアは、1869年自殺を図り、1872年にはパリに去った。バーン=ジョーンズはピグマリオンにはなれなかったのである。このマリア・ザンバコの頭部習作-ガラーテア》の素描↓が今回出品されていた。1870年の作品である。 8.ペルセウス-大海蛇退治と王女アンドロメダ救出 ペルセウスはギリシャ神話随一の有名人で、彼の冒険物語はヘシオドスの「神統記」やオヴィディウスの「変身物語」や多くの「ギリシャ神話」に含まれている。 ペルセウスは、アルゴス王アクリシオスの娘ダナエが、黄金の雨に姿を変えてゼウスと交わった結果として生まれた子供。1875年に、バーン=ジョーンズは、ある政治家の新居のデザインを任され、以前に「地上の楽園」のために準備した図からスタートして、数年かかって多くの素描を描いた。それぞれのシーンについては、大英博物館にある古代の壺を参考にしたとのことである。 最初は、10点の画を描く予定だったが、完成した油彩画は4点で、今回はこの連作《ペルセウス》のグワッシュ2点が出展されている。 ↑左は《ペルセウス-大海蛇退治と王女アンドロメダ救出》。とぐろを巻いてペルセウスに迫ってくる怪獣が凄い。裸のアンドロメダは後ろ向き。 これらの習作が2点出ていたが、いずれも素晴らしい出来栄え。↓はそのうちの1点。 美術散歩 管理人 とら
by cardiacsurgery
| 2012-06-28 17:11
| 国外アート
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