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5月27日(日)は、開館20周年記念特別展「日本橋-描かれたランドマークの400年」の初日であり3月末から開かれていた企画展「芝増上寺-秀忠とお江の寺」の最終日でもある。快晴の日曜日、両展を同日に見てきた。
第1章 都市・江戸の橋 棒手振(ぼてふり)が目立つおなじみの広重《東海道五十三次之内 日本橋朝之景》が早々と登場。 二代広重の《江戸名所一覧双六》を見ると、江戸の町の水路の様子が俯瞰できる。日本橋の位置もしっかりと確認できる。 別室に、今回のお目当ての《隅田川風物図巻》↓が堂々と広げられている。初め、この部屋があることに気付かず、最後まで行って、あわてて戻ってきた次第である。そんな迂闊ものは私だけだと思うが、特別な案内がないので要注意。 これは今回初めて全画面を広げて見せてくれているのだが、全長10mに及ぶ絵巻は素晴らしい。いわゆる「影からくり絵」である。絵の一部を切り抜いて、そこにセロファンのように透ける薄い和紙を当ててあり、後ろからの光でその部分が浮かび上がる仕掛けの絵である。絵巻の裏側には場所の名前が書かれているとのことである。紙芝居のように見せたのだろうか。 何分か経つと、部屋が暗くなり、絵の中の窓や舟の提灯の部分が明るくなる。うまい仕掛けである。両国橋付近の舟から打ち上げられる花火はこの絵のハイライト。 第2章 日本橋を描く-江戸城、富士山、魚河岸と- 「高札場」が描かれているところは、橋の南側、「魚河岸」が描かれているのは北側である。こういったことは、当時は常識だったのだろうが、現在は美術館や博物館で勉強する。 明治維新後には、「高札場」が描かれることが多くなったが、江戸時代には、「魚河岸、富士山、江戸城」いうトリオが定番になっていたようである。 駿河町の越後屋(現在の三越)、尾張町の恵比須屋(現在の銀座五丁目)などはいくつも登場する。 第3章 文明開化と日本橋 明治3年に人力車が登場し、筆者不詳の《日本橋鳥瞰図》には、「御免人力車」の札が高札場に掛っている。歌川芳虎の《東京日本橋風景》には自転車も描かれている↓。 第4章 石で造られた日本橋 明治44年に石造りの橋となり、渡り初めの絵なども描かれている。大正時代の土屋伝《日本橋繁華之光景》は石造りの日本橋や路面電車を正確に描いているが、相変わらず富士山も入っている↓。 気楽に見ることのできる展覧会だが、すべて館蔵品だとのことである。準備が大変だったことと思う。 会場から出たところに、山口晃画伯の木版画《新東京名所 東海道中 日本橋改》が掛かっていた。残念ながら撮影禁止ということで、画像はこちらで見てもらうしかないが、上段に木製のアーチ型の太鼓橋、中段に自動車の走る高速道路橋、下段に平坦な石造りの橋の三段重ねの日本橋である。 得意の時代超越画。【山愚痴】のハンコもなかなか面白い。パネルには、遠慮して色数を少なくしたところ、もう少し増やしても良いとのことで、少し増やしたということが書いてあったが、遠慮することはないと思う。この後、もう二点作るとのことだが、今回の天ぼかしだけでなく、空摺、雲英摺などなど版画屋さんを困らせて立派な平成浮世絵を仕上げてほしいと思う。 美術散歩 管理人 とら 【追加】 長い間、江戸博へのアプローチには「熈代勝覧」が描かれていたが、帰途に確認したところ別な壁画(こちらも江戸時代の日本橋関連のもの)に変わっていた。だからというわけではないが、地下鉄三越前から日本橋三越へのアプローチの「熈代勝覧」はそのままにしておいてほしいと思う。 2011年に三井記念美術館で見た「日本橋絵巻展」と「熈代勝覧」関連の記事はこちら(HP、Blog1、Blog2)です。
by cardiacsurgery
| 2012-05-28 09:42
| 国内アート
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