記事ランキング
ブログパーツ
最新のトラックバック
外部リンク
以前の記事
2021年 01月 2020年 11月 2019年 02月 2019年 01月 2018年 12月 2018年 11月 2018年 10月 2018年 09月 2018年 08月 2018年 07月 more... カテゴリ
全体
国外アート 西洋中世美術 ルネサンス バロック 印象派 印象派後期 現代アート(国外) 東洋アート 仏像 国内アート 江戸絵画(浮世絵以外) 浮世絵 近代日本美術 戦争画 現代アート(国内) アート一般 書籍 音楽 映画・写真 講演会 北海道の鈴 東北の鈴 関東の鈴 中部の鈴 関西の鈴 中四国の鈴 九州の鈴 ヨーロッパのベル アジアのベル アメリカのベル オーストラリアのベル 未分類 フォロー中のブログ
検索
その他のジャンル
ファン
ブログジャンル
画像一覧
|
密教はインドで大乗仏教より分かれて成立したものであるが、初期の密教仏は奈良時代の日本にも十一面観音や千手観音のような変化観音として入ってきている。しかしインドの中期密教が中国を経て平安時代のわが国に到達したのは、空海・最澄らの遣唐使僧の努力による。この中期密教は中国ではとだえ、わが国で今日まで受け継がれている。インドでその後に発展した晩期密教はチベットやネパールに伝えられ独自の発展をとげている。これについても以前に記事を書いた(こちらとこちら)。
空海は図画をもって密教に対する理解を広めるという方針だったため、真言密教には数々の優れた造形作品が残っている。とくに東寺の「仏像曼荼羅」の一部が展示される他に、空海自筆の書が5点全文展示される(展示期間に注意↓)ことが今回の展覧会の特徴のようである。 国宝「聾瞽指帰」展示期間:上巻 7月20日~8月21日 下巻 8月23日~9月25日第一章 空海ー日本密教の祖 ・「弘法大師像」大阪・金剛寺蔵: 顔をやや右に向けて椅子に坐り、右手に五鈷杵、左手に数珠。 ・空海筆「聾瞽指帰(ろうこしいき)」: 24歳の書。 力強い筆致。上巻だけでも相当に長い。儒教・仏教・道教の教えを対決させ、仏教の優位性を説いているとのこと。 ・祐高等筆「弘法大師行状絵詞」東寺蔵: 数多い空海の伝記絵巻の一つ。 第二章 入唐求法ー密教受法と唐文化の吸収 ・李真等筆「真言七祖像」 東寺蔵: 空海の師・恵果が、空海に与えるため唐の宮廷画家・李真等に制作させた金剛智・善無畏・不空・恵果・一行の5人の密教祖師像に、821年に空海の指導のもと、日本で制作された龍猛・龍智の肖像を加えたもの。今回は龍猛・善無畏の2点を見ることができた。 ・「兜跋毘沙門天立像」東寺蔵: これの模刻は以前に奈良博で見た(記事と画像はこちら)。多聞天が単独で祀られるときには毘沙門天とよばれるが、兜跋毘沙門天はこの異形で、地天が両手で毘沙門天を捧げ、尼藍婆・毘藍婆の2邪鬼を従えている。これは唐からの請来品で、異国風の外套のような甲冑を付けている。 第三章 密教胎動ー神護寺・高野山・東寺 日本の密教寺院の原点ともいえるこれらの寺院に関わる絵画、書、仏像、工芸などだ展示されている。 ・「五大力菩薩像」和歌山・有志八幡講十八箇院: 以前にも見たが、激しい絵。3枚出ていたが、↓はその中央のもの。 ・「両界曼荼羅図 (高雄曼荼羅)」神護寺蔵: 現存最古の両界曼荼羅図。精緻な線描だが、見にくくなってしまっている。 ・「両界曼荼羅図 (血曼荼羅)」金剛峯寺蔵: 以前にも見た。清盛が胎蔵界の大日如来の宝冠に自らの頭の血をまぜて彩色したとの伝えから「血曼荼羅」とも呼ばれるものであるが、これも見にくくなってきている。 ・空海筆「灌頂歴名」神護寺蔵: 空海は812年から3度にわたって高雄山寺(神護寺)において両部灌頂を授けた。これはその受者の名簿。その中には最澄も含まれている。時間のない中で急いで記されたものらしく書風や筆致に差がある。 ・仏像曼荼羅 東寺蔵:東寺講堂の21体のうち8点が出展されている。金沢文庫で見た称名寺聖教↓のうち赤い点線で示したものが、今回登場している。 ・「両界曼荼羅図 (西院曼荼羅)」東寺蔵: 胎蔵界が展示されていた。彩色の両界曼荼羅としては最古の遺品。展示されていた胎蔵界曼荼羅の中心の「中台八葉院」には、本尊の大日如来とその属性を分担する4仏、およびそれらを補佐する4菩薩が描かれている。 左右(南北)3重、上下(東西)4重の合計12院(部分)からなっている。登場する尊格数は409尊、方位は上方が東である。 ・「如意輪観音菩薩坐像」醍醐寺蔵: ふくよかな顔と、くつろいだ姿は優雅。斜めに傾けた頭部と体部、それに6本の腕という複雑な姿をうまくまとめている。 美術散歩 管理人 とら
by cardiacsurgery
| 2011-07-24 15:50
| 仏像
|
ファン申請 |
||