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![]() 出展されている運慶作の仏像は、下記の通り。残念ながら本日は6.は出ていなかった。 ![]() 密教世界のトップ。智拳印を結ぶ金剛界の像。運慶青年時代、平安時代後期の作。像高98.2cmという等身大の坐像。金色が良く残っており、若か若しい面相と整ったプロポーションが印象的。 蓮華の天板裏に運慶と書かれた銘文の写真が出ていた。関連史料として《円成寺縁起》も出ており、運慶の名を読み取ることも出来た。 ![]() 四天王のうちの多聞天が単独で祀られる場合は毘沙門天と呼ばれることはつとに有名。甲冑をつけ、右手に戟、左手に宝塔を持ち、邪鬼の上に立っている。玉眼はカット見開き、顔貌はいかにも力強い。 像内に納入された銘札から、発願者が和田義盛と夫人の小野氏で、製作者が運慶と小仏師10名であることが判明した。 3.重文 不動明王立像 (1189年、神奈川・浄楽寺所蔵)↑上左、展示期間2月27日まで: 不動明王は大日如来の命令を受けて行動する明王。この像は和田義盛の発願。がっしりとした体躯と腕を有する像。火炎光背をはずした形で展示されていたのはちょっと残念。莎髻と呼ばれる巻き髪。右目を開き、左目を半眼に閉じた天地眼。右手に剣、左手には羂索(縄)を持って、岩座に立っている。 こちらに入っていた銘札も展示されていた。 4.重文 帝釈天立像 (1201年頃、愛知・滝山寺所蔵)↑中左と←:運慶・湛慶の合作と伝えられる。一面三目二臂で手に金剛杵を持っている。身に纏っている天衣には美しい赤と緑の色彩が良く残っており、裏地が見えるなどの巧みな立体表現には舌を巻く。この像が今回のナンバーワン。裏面も良く見えるように展示されており、ちょっと腰をひねっているところがよく分かった。 同じ滝山寺には聖観音菩薩立像と梵天立像があり、いずれも美しい写真が出ていたが、加えて聖観音については装飾金具がいくつも展示されていて目を見張った。 5.重文 厨子入大日如来坐像(鎌倉時代初期、栃木・光得寺所蔵)↑中右: この仏像と厨子は東博でも見ているが、今回は厨子の中を注目して見た。多数の小仏の群像、蓮華の華から垂れる水晶の珠、台座を支える獅子たちはまことに見事である。 この仏像のX線コンピュータ断層撮影がでていたが、これには発願者足利義兼の歯が入っているのが見えた。これは像の完成後追納されたものだとのこと。 6.重文 大日如来坐像(鎌倉時代初期、東京・真如苑所蔵)↑中央、展示期間2月8日以降: この仏像は外国のオークションにかけられたことで一躍有名になったもの。東博で2度見た(①、②)ので、今回は出ていなかったがまあ良いとした。 7.重文 大威徳明王坐像(1216年、神奈川・光明院所蔵・神奈川県立金沢文庫保管)↑下と→:2007年の保存修理の際、像内納入品の奥書から運慶の最晩年作と確認された像。大威徳明王は戦勝祈願の本尊。六面六臂六足で水牛にまたがっている異様な姿であるが、展示作は損傷のため正面と左の顔ならびに右側3本の手しか残っていない。顔は青く、3つの目がある。 その他に運慶作の可能性のあるものとしては、鎌倉時代初期、神奈川・瀬戸神社所蔵の重文 舞楽面《陵王》と重文 舞楽面《抜頭》が展示されていた。 運慶で有名な静岡・願成就院の不動明王二童子像や毘沙門天立像は参考写真だったが、像内納入銘札の実物が出ていた。 奈良・東大寺所蔵のものとしては、金剛力士立像の《阿形金剛杵材銘文レプリカ》、《像内納入品》、《東大寺続要録》。 また称名寺聖教所収の運慶関連史料として、東寺講堂御仏所史料をまとめて見ることができた。 午後から暖かくなってきたので、トンネルを抜けて称名寺の境内を散歩し、築100年以上の「ふみくら茶屋」の座敷に上がって、冬の三浦半島名物「しらす雑炊」を食べた。美味かった。 これは素晴らしい展覧会。絶対のお勧めである。 関連ブログ記事: 1.大日如来坐像(真如苑蔵) @東京国立博物館 2.大日如来坐像(光得寺蔵) @東京国立博物館 美術散歩 管理人 とら ※このブログはトラックバック承認制を適用しています。ブログの持ち主が承認するまでトラックバックは表示されません。
タイトル : 運慶展 神奈川県立金沢文庫
この展覧会の目玉は、2月8日から加わる真如苑の所蔵を含めて3体の大日如来像が並ぶということらしいが、真如苑と栃木の光徳寺のものは、東博で何度も出会っているので良しとする......more
タイトル : 「運慶 - 中世密教と鎌倉幕府 - 」 神奈川県立金沢文庫
神奈川県立金沢文庫(横浜市金沢区金沢町142)「神奈川県立金沢文庫80年 特別展 運慶 - 中世密教と鎌倉幕府 - 」1/21-3/6神奈川県立金沢文庫創立80年を記念し、各地の運慶仏を一堂に展観します。「運慶 中世密教と鎌倉幕府」へ行ってきました。 その抜群の知名度にも関わらず、実際には僅か約30体ほどしか真作のない運慶仏ですが、今回は平成19年に称名寺(金沢文庫)で「大威徳明王坐像」が新たに運慶作と確認されたことにも関連し、同作を含む計7体の揃う展覧会が実現しました。 重文......more ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。 わん太夫さん、そちらの記事を拝見しました。 今回の運慶展では、浄楽寺からは2駆だけでしたので、そのうち是非5駆揃ったところを見てみたいと思います。 奈良の円成寺まで出かけられたのですね。脱帽です! 東国の運慶が勢ぞろいとあっては、是非にも出かけなくては・・・と 思っていますが、金沢文庫って名前は聞いたことがあるのですが、 ちょっと足がすくんでおります。でも、周辺の散策もよさそうですね。 思い切って出かけてみようかしら。 三菱一号館美術館で開催中の「カンディンスキーと青騎士展」に 行ってきました。(ようやく) とらさんのブログで予習していたのですが、実物はやっぱり良い ものですね。(後ほど簡単な感想を書きますが、とらさんのブログに リンクさせていただいてもよいですか?) そうそう、奥様のHPを拝見いたしました。 とらさんのHPやブログに優るとも劣らない読みごたえで、しばらく 入り浸りになりそうです。(笑) リセさん、こんばんは。 金沢文庫や称名寺はとても良いところです。 東国の運慶は、奈良の運慶と一味違っていました。 カンディンスキーの記事をお待ちしています。 リンク大歓迎です。よろしくお願いします。 HPの件、家内に伝えておきます。きっと喜ぶでしょう。 この展覧会で、運慶仏完全制覇に近づきました。あとは、滝山寺の聖観音が未見です。(梵天は、前に東博に来てました。)近世の彩色があって、なまめかしさを感じました。 一村雨さん 「運慶完全制覇」とは凄いですね。 制覇完了の暁には講演会兼祝賀会ですね。 その時には参加させてください。 こんばんは。運慶をまとめて拝むのは初めてだったので少し興奮してしまいました。出来れば後期の大日如来三体そろい踏みにも行きたいところです。 はろるどさん 運慶に圧縮された見事な展覧会でした。あちこち旅することなく、運慶の初期作や東国での作品を見られたことは、幸運であったとしか言えません。 運慶のその後の南都の作品や海外流出作とあわせて「夢の運慶大回顧展」が国内で開かれ、全世界の美術愛好家が日本に詰めかける日が来ることを願っています。 こんばんは。 運慶=鎌倉時代という意識だったので、平安密教とのつながりという視点が新鮮でした。その影響で、先日京都に出張した際に東寺の立体曼荼羅を観て来ました。 mizさん、こんにちは。
運慶と東寺の関係を知ったことも今回の展覧会の収穫でした。 東寺の立体曼荼羅:是非見てみたいものです。
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