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「伊藤若冲-アナザーワールド」(記事はこちらとこちら)と同時開催の「江戸みやげー所蔵浮世絵名品展」。裏番組というにはもったいない品揃えである。
その中に、鈴木春信《坐鋪八景 台子の夜雨》の初版と後版が並んで展示されていた。この両者の並列展示は以前にも千葉市美術館で見ているが(記事はこちら)、ここではやや詳細に書くことにする。 正確に題名を書くと、前者は《坐鋪八景 台子夜雨(初版)》(画像は↓右)、後者は《座鋪八景 台子夜雨》(画像は↓左)となっている。 この版権を版元が譲り受け、依頼者の名前を版木から削って、大衆受けのする派手な色彩で摺りあげて「錦絵」として売り出したのが、後者である。こちらの畳紙には「座鋪八景 鈴木春信画 あつまにしきゑ(東錦絵) 松鶴堂(印)」となっている。 両者を比較すると、前者には「巨山」の落款があり、後者にはそれがない。台子や釜も前者が落ち着いた色、後者がややどぎつい色で表現されている。 着物の色はそれほど差がないようだが、これは後者の退色が著しいためのようだ。 これについては、以前に「Great Ukiyo-e Masters 春信、歌麿、北斎、広重ーミネアポリス美術館秘蔵コレクションよりー」の記事(こちら)に書いたことがある。 ミネアポリスのものも後版であるが、前回アップした図版を引用すると、左図のように鮮やかな色彩が残っている。千葉市美術館蔵の後版(↑左)と比べればその違いは明らかである。 瀟湘八景は中国の伝統的画題で、洞庭湖周辺の景色。瀟湘夜雨、平沙落雁、烟寺晩鐘、山市晴嵐、江天暮雪、漁村夕照、洞庭秋月、遠浦帰帆の八景であるが、日本でも各地に八景ができており、画題にもなっている(①、②、③)。 浮世絵でも、磯田湖龍斎、鈴木春信、鳥居清長、勝川春章、歌川広重、葛飾北斎などが瀟湘八景をもじったものを描いており、その内容はバラエテイーに富んでいる。春信には、《坐鋪八景》と表裏一体の作品ともいえる艶本の組物《風流座敷八景》がある。 肝心の春信の《坐鋪八景》は 《行灯の夕照》、《ぬり桶の暮雪》、《鏡台の秋月》、《あふき(扇)の晴嵐》、《台子の夜雨》、《琴路の落雁》、《とけひ(時計)の晩鐘》、《手拭かけ帰帆》である。初版が揃っているシカゴ美術館のデータベースにリンクをはっておいた。 この「江戸みやげ」展のその他のお気に入りは下記。 ・喜多川歌麿《鞠と扇を持つ美人》 ・歌川豊国《三代目沢村田之助の頼兼と三代目尾上松助の高尾》 ・月岡芳年《那智山之大滝にて荒行図》・・・豪快な三枚続。中央に文覚。右岸から見ている二人に目が行く。 ・歌川国貞(初代)《江戸自慢 開帳の朝参》・・・蚊帳から起きだす2人の女性。 ・歌川国貞(初代)《江戸自慢 四万六千日》・・・煙。 ・歌川国政(五代)《江戸町壱丁目 金瓶楼之図》 ・昇斎一景《博覧会諸人群集之図 元昌平坂聖堂ニ於テ博覧会》・・・しゃちほこ。 ・五雲亭貞秀《東都両国ばし夏景色》・・・ものすごい数の人と船。 美術散歩 管理人 とら
by cardiacsurgery
| 2010-06-08 12:35
| 浮世絵
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